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平野歩夢、意外と饒舌な会見で。
「人と違う滑りで上を目指して」
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2018/02/15 17:00
クールな表情が印象に残る平野だが、銀メダルを手にした笑顔もまた、まぶしい。
東京五輪は身体を休めてからの話。
2年後の東京五輪に向けての率直な思いにも言及した。新種目として採用されたスケートボードは、平野が幼い頃から特訓を続けてきた競技だ。
「東京五輪をここから目指すなら、時間のない中でのすごくハードなトレーニングになると思う。自分はまだはっきり決めていない部分があります。それをこれからしっかり整理して考えられたらと思う。当然、可能性があれば、という形で考えてはいます」
今は平昌五輪の激戦を終えたばかり。身体を休めてリフレッシュした後に、具体的なプランを練っていくことになりそうだ。
「平昌五輪までの4年間は、自分にとって1日1日が試練のような毎日だった。1日1日、自分の中で目的を設定してから地道なトレーニングをしてきた。その中で自分のフィールドや、自分1人の空間をすごく大事にし、いろいろな生活の習慣なども変えてきた」
15歳から19歳までの若き4年間に力を注いだのは、決して楽しいことばかりではなかった。
「どちらかというと、自分のやりたくない苦手なことにチャレンジしてきた4年間。そのために生活からスノーボードまで共有できた4年間でした。これからも自分が大事にしていることを、高め続けなければいけないと思っています」
「人と違う滑りで上を目指して」
決意を新たにした平野は一言一言をかみしめるように、言葉を選んで、最後にこう言った。
「スノーボードで頂点をとり続けることは簡単ではないことを、今回も改めて実感しました。これからも自分で考えた式と答えの中で、人と違う滑りで上を目指し、上の結果を取り続けられたらと思う。自分のこだわっているものや勝ち方にこだわりながら、またがんばっていきたい」
もしかしたら2年後、そして4年後には必ず。平野はその歩みで見る者を惹きつけていく。