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ダルビッシュとカブスの戦力。
先発のエース格、ノルマの数字は?

posted2018/02/17 11:30

 
ダルビッシュとカブスの戦力。先発のエース格、ノルマの数字は?<Number Web> photograph by AFLO

カブスの練習でも状態のよさを感じさせたダルビッシュ。サイ・ヤング賞に最も近い日本人であることは間違いない。

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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 ダルビッシュがカブスと契約を結んだ。ようやく、という印象だが、落ち着くべきところに落ち着いた感がある。契約条件は6年総額1億2600万ドル。オプションまでふくめると、上限は1億5000万ドルになるが、これは6年の間にサイ・ヤング賞を複数回獲得した場合だから、そう簡単には届かない。

 競合相手ドジャースの出した条件は、6年1億ドルだったのではないかと囁かれている。ツインズやブルワーズは5年止まりの条件しか提示できなかった。ヤンキースは贅沢税回避のため、最終的には争奪戦に加わらなかったようだ。

 となると、ジェイク・アリエータを失い、ジョン・レスターにやや衰えの見られるカブスが攻めの姿勢を見せても不思議ではない。しかもかなり真剣に。

適正価格より2割引きになった?

 ただ、金額は抑えられた。2015年1月、FAのマックス・シャーザーは、ナショナルズと7年総額2億1000万ドルで契約した。'15年12月、デヴィッド・プライス(FA)は、レッドソックスと7年総額2億1700万ドルで契約した。同じころ、ザック・グリンキー(FA)も、ダイヤモンドバックスと6年総額2億600万ドルで契約を結んでいる。

 彼らに比べると、ダルビッシュの契約総額は高くない。FAの投手で金額の似たケースを探すと、ジョーダン・ジマーマン(5年総額1億1000万ドルでタイガースと契約)、ジョニー・クエト(6年総額1億3000万ドルでジャイアンツと契約)、バリー・ジート(7年総額1億2600万ドルでジャイアンツと契約)の名が浮かぶ。ダルビッシュの価値は、彼らに比べてもう少し上と思うが、買い手側の財布の紐が固い限り、またワールドシリーズでの惨劇が人々の記憶に残っている限り、適正価格よりも2割引きになってしまうのは仕方のないところだろう。

【次ページ】 カブスの強さはしばらく続きそう。

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