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川崎に大卒生え抜き選手が多い理由。
憲剛「うちには目利きのスカウトが」
posted2018/02/13 11:40
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
2月10日に行われたゼロックス・スーパー杯のメンバー表には、前年のJ1王者・川崎フロンターレのカラーが色濃く出ていた。大卒で加入し、クラブ一筋の「生え抜き」がずらりとそろっていた。
他のJ1クラブを見渡しても、試合メンバー表の前所属チーム欄に、大学名が数多く並ぶことはほとんどない。川崎Fのスカウトとして14年目を迎える向島建氏は、埼玉スタジアムの4階席からピッチを見下ろし、感慨に耽っていた。
「大卒の生え抜きの人数を数えると、7人もいたからね」
先発メンバーの4人は、昨季、チームの主軸として初優勝に貢献した面々。もはや説明不要のタレントたちと言っていい。
中央大卒、16年目の中村憲剛。
拓殖大卒、9年目の小林悠。
筑波大卒、5年目の谷口彰悟。
筑波大卒、4年目の車屋紳太郎。
控えメンバーには、新人を含めた3人の名前があった。
順天堂大卒、3年目の長谷川竜也。
愛知学院大卒、2年目の知念慶。
流通経済大卒、1年目の守田英正。
長谷川、知念ともにすでに存在感。
昨季、長谷川は主にスーパーサブとしてリーグ戦24試合に出場し、5ゴールをマーク。ルーキーイヤーだった知念は4試合の出場にとどまったものの、31節(10月29日)の柏レイソル戦(△2-2)で反撃の狼煙を上げる値千金のゴールを決め、貴重な勝ち点1獲得に貢献。ともにゼロックス・スーパー杯では後半途中から出場し、存在をアピールしていた。
そして、この日は大卒新人の守田が公式戦デビューを果たす。52分に右サイドバックとして入り、ピッチで躍動。球際では持ち前のボール奪取力を生かし、機を見て攻め上がると、スペースへ飛び出してシュートも放った。