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極寒のマイナス20度で7万人が熱狂!
スーパーボウルの魔力とは何か。 

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別府響(文藝春秋)

別府響(文藝春秋)Hibiki Beppu

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photograph byGetty Images

posted2018/02/08 11:15

極寒のマイナス20度で7万人が熱狂!スーパーボウルの魔力とは何か。<Number Web> photograph by Getty Images

1試合限定であれば、スーパーボウルは文句なしに世界最大のスポーツイベントである。

試合当日は朝からスタジアムが人で埋めつくされる。

 試合前のイベントの数々を終えると、いよいよスーパーボウル当日を迎えた。会場となるUSバンクスタジアムは朝からすでに人で埋め尽くされ、両チームのファンたちの熱気が充満していた。

 そして夕方5時半。

 ついにキックオフの笛が吹かれる。

 7万人近い観衆が見守る中での熱戦を先行したのは、前評判の低かったイーグルス。QBニック・フォールズは堅実なパスプレーを続け、看板のフロントラインは終始、優位を保った。

 一方で、ペイトリオッツはいつもの王者としての落ち着きに、ほんのわずかな綻びが見えていた。QBブレイディをパスのターゲットにするトリックプレーはブレイディの落球で失敗に終わり、レギュラーシーズンであれほどの猛威をふるったTE(タイトエンド)、ロブ・グロンコウスキーへのショートパスは安定感を欠いた。

スーパーボウルは、多くの子どもの夢。

 おそらく実力的には両チームが拮抗していたであろう戦いで、小さな流れを作ったのが初優勝を目指すイーグルスファンたちの熱狂的な後押しだろう。ペイトリオッツの入場を大ブーイングで迎える過激なファンの熱気は「E・A・G・L・E・S、EAGLES!」の掛け声とともに会場中に広がった。

「イーグルスファンの熱さは正直、ちょっとウンザリするよ」と地元ファンが辟易するほどのチーム愛は、ペイトリオッツの選手に微妙な緊張を生み出したように見えた。

 第4クオーターまでもつれた試合の最後は、イーグルスのDE(ディフェンスエンド)、ブランドン・グラハムがすさまじいプレッシャーをかけてブレイディのファンブルを誘発。敵陣でターンオーバーを決め、実質的に勝負はここで決まった。

「子どものころからフットボールをやってきて、この瞬間のことを夢見てきた。今この瞬間に試合を見ている多くの子どもたちも、こんな瞬間を夢見ているんだ」

 33-41で激戦を制し、初戴冠を果たしたイーグルスのQBフォールズが語ったように、アメリカでスーパーボウルを獲得することは多くの少年たちの夢だ。そして、スーパーボウルというたった1つの試合が象徴するものは、単なるスポーツの枠を超えたアメリカ文化そのものであるように思う。

【次ページ】 アメフトに興味がない人にも認められる文化。

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#トム・ブレイディ

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