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錦織圭不在の日本にイタリアが本気。
1勝3敗でも、このデ杯は快挙だった。
text by
今田望未Nozomi Imada
photograph byKyodo News
posted2018/02/07 07:00
全豪オープン、デビスカップと良い内容の試合を続けている杉田。あとは……勝利だけだ。
ダブルスの試合、イタリアが一気に勝負をかけてきた!
2日目、イタリアは勝負を仕掛けてきた。ダブルスのメンバーを変更し、フォニーニを起用した。
パートナーのシモーネ・ボレリ(イタリア)と組んだダブルスでは、2015年に全豪オープンを優勝している。しかしフォニーニは前日に4時間近い試合をしたばかり。
イタリアは、確実に焦っていた。
疲労がたまるリスクを取ってダブルスを本気で取りに来た。
こんなことは、これまでの日本とのデ杯では絶対にありえなかった。内山とマクラクランのダブルスが十分に評価されているからこそ起きた、イタリアの勝負手だった。
シングルス以上に特にサービス側の1つのミスが命取りになるダブルスは、じりじりとした神経戦が続いた。
日本ペアはやや劣勢ながらも食らいついたが、第3セットのタイブレークでイタリアペアは勝負に出たポイントでスーパープレーを連発して突き放し、そのまま勝利を収めた。
まるでGS制覇したかのような喜びを表したフォニーニ。
後がなくなった日本。
最終日は杉田とフォニーニのエース対決。
杉田は第3セットで20分近いロングゲームを制して一気に流れを掴んだが、杉田のマッチポイントの場面からフォニーニが挽回。
すでに3日間で10時間以上コートに立ち、いつ足が止まってもおかしくない状況から信じられない強打を打ち込み続けた。
最後は両者サービスキープもままならない状況の中、フォニーニが勝利。
勝ったフォニーニはまるでグランドスラムを優勝したかのようにそのままコートに倒れこんだ。