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錦織圭不在の日本にイタリアが本気。
1勝3敗でも、このデ杯は快挙だった。
posted2018/02/07 07:00
text by
今田望未Nozomi Imada
photograph by
Kyodo News
1勝3敗――。
こう聞くとただの負けのように見えるが、8-11という獲得セット数が物語っているように、これを惜敗と言わずしてどう表現できるだろうか。
盛岡での現地観戦で感じたのは、紛れもなく日本が世界を相手にがっぷり四つの攻防をした、デビスカップ(以下デ杯と表記)日本代表史上最高の試合だった。
錦織圭の登場とともに、デ杯日本チームは、世界で16カ国しか戦えないワールドグループに駒を進めるようになった。
全5試合中3勝で勝利となるデ杯を、2012年以降日本は錦織のシングルス2勝を軸に、もう1勝をどこかで取りに行く――このような戦略で戦ってきた。いや、あえて厳しい書き方をすれば、それしかできなかった。
ワールドグループでの日本の結果を見ると、それが浮き彫りになる。
WGで、錦織が絡まない勝利は一度も無かった。
2012年は添田豪が1勝を挙げるも、錦織がイボ・カルロビッチ(クロアチア)のビッグサーブに屈し敗退。
2014年はカナダのエース、ミロシュ・ラオニッチがけがで欠場となり、さらに錦織がダブルスにも出場して3連勝。しかし次のチェコ戦では錦織がけがのため欠場し、消化試合も含めて5戦全敗。
2015年はカナダと再戦するも、錦織の2勝を活かせず他で全敗。
2016年は錦織がBIG4のアンディー・マレー(イギリス)と死闘を繰り広げるが、わずかに及ばず敗退。
2017年は錦織が出場せず、やはりフランスに敗れた。
2014年以降の4年間、日本がワールドグループで挙げた勝利数は、消化試合での勝利を除くと6勝だが、この6勝は錦織のシングルスが5勝と、錦織と内山靖崇が組んだダブルスで1勝。
つまり、錦織が絡まない勝利は一度もない。
日本がデ杯でさらに上を目指すためには、その他の選手の活躍が必要不可欠なのだ。