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錦織圭不在の日本にイタリアが本気。
1勝3敗でも、このデ杯は快挙だった。
text by
今田望未Nozomi Imada
photograph byKyodo News
posted2018/02/07 07:00
全豪オープン、デビスカップと良い内容の試合を続けている杉田。あとは……勝利だけだ。
敗れてもなお価値のある試合をしたダニエル。
試合はその日本と、ベストメンバーで臨んできたイタリアチームとの息をのむ攻防となった。
1日目、初戦のダニエルとファビオ・フォニーニのシングルスはダニエルの気迫が伝わってくる試合だった。
改良したサーブの効果が表れ、190km/h台のサーブを次々と放った。そして強気の攻め。本来守備を得意とするダニエルがガッツを見せて食らいついていった。
勝利も見えていたが、最後はフォニーニの強打に屈しフルセットでの惜敗。しかしデ杯は団体戦。ダニエルの気持ちは日本チーム、観客に伝わり、何より相手エースに4時間近い試合をさせたことが2日目、3日目に大きく影響する。
誰もが勝って欲しいと願ったが、敗れてもなお価値のある試合となった。
この試合での杉田は、日本のエース、大黒柱だった。
第2戦の杉田とアンドレアス・セッピ(イタリア)のシングルスも白熱した。
セッピは現在ランキングを落としているが、かつてはトップ30に長らくいた実力者。直前の全豪オープンでベスト16に入り調子を上げていた。
しかし杉田は、この1年の成長を存分に見せつけた。
フォアハンドでの早い攻撃、要所をしのぐサーブ、そして精神面での成長。紛れもなくこの試合の杉田は日本のエース、大黒柱だった。かつて錦織に対しセットカウント1-2から挽回して勝ったことがあるセッピ。この試合もセットカウント1-2からセッピの反撃が始まり、セッピのマッチポイントを迎えた。
しかしここで杉田が踏ん張り、迎えたファイナルセットのタイブレークでは全く隙のない完璧なプレーを披露。
1勝1敗、総獲得セット数5-5で初日を終えた。