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西武の先発問題をこの男が解決する?
平井克典、新球で「自分の仕事」を。
posted2018/02/08 11:30
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
近年、この時期に毎年のように話題になるのが、埼玉西武ライオンズの先発投手陣の駒不足だ。
2013年オフに涌井秀章がフリーエージェント宣言によってチームを去って以来、2015年には長年に渡りチームをけん引した西口文也が引退。2016年オフにはやはりフリーエージェントによって岸孝之が東北楽天に移籍した。そして今シーズンはポスティングシステムで中継ぎのエース牧田和久を失い、昨年11勝を挙げた野上亮磨もフリーエージェントでチームを去った。
打撃は12球団一。
源田壮亮の加入で守備力も安定した。
ライオンズの伝統である機動力も復活している。
肯定的に考えれば、だからこそ、投手に注目が集まるとも言える。
もちろん、補強もしてきた。2015年のドラフト会議では指名した10名中、8名がピッチャー。2016年のドラフトでも6名中、4名が投手である。「それだけ若いピッチャーにはチャンスが多いということ」と土肥義弘・投手コーチは断言する。ファンは若手投手陣の成長を信じ、待っていることだろう。
1年目から42試合に登板した先発候補の1人。
そんな中、プロ入り1年目の昨シーズン、42試合に登板しファンに強い印象を残したのが平井克典である。
スリークウォーターから繰り出される力のある直球と、切れの良いスライダーを武器に、昨シーズンはリードしている場面で、また逆転の可能性が残る場面で主に起用され、ライオンズのブルペンを支えた。
今シーズンは先発起用という期待もかかるが、平井の可能性について辻発彦監督はこう語る。
「当然、先発の候補の1人に入ってきます。そのために今、課題に取り組んでいるところでしょう。彼の課題は左バッター相手の被打率。それを克服できれば、もちろん先発転向の可能性は0ではない。先発の駒が揃わなければ、平井に限らずこれまで中継ぎだった投手の先発転向もあると言えます」