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Bリーグ川崎とNBA王者は似ている?
コーチ、選手が突き詰めるものとは。
posted2018/02/03 07:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
“あのNBAチーム”を想起せずにはいられないチームが、Bリーグにはある。
Bリーグチームは川崎ブレイブサンダース。そして“あのNBAチーム”とは、昨季の王者、ゴールデンステイト・ウォリアーズだ。
'15-'16シーズンに、それまでシカゴ・ブルズが持っていたシーズン最多勝利記録を更新する73勝をあげ、昨シーズン悲願のNBA王者に輝いたゴールデンステイト・ウォリアーズは、今季もウエスタン・カンファレンスの首位を走り続けている。コービー・ブライアントが「ゴールデン・デモクラシー」と名づけた、コート上の5人すべてが連動したその素晴らしい攻撃もすっかり有名になった。
一方の川崎ブレイブサンダースは、2月2日現在で20勝12敗、強豪ひしめくBリーグ東地区の3位で奮闘を続けている。チームの規模や状況からすれば、どこに共通点があるのかと思われるかもしれない。だが、そのチームの組織のあり方や「志」において、川崎にはNBAに王者に通じる部分があると感じるのだ。
ミスを許さない姿勢は川崎で徹底されている。
川崎の北卓也HCは、とにかく厳しい。
しかしその厳しさは、選手やスタッフを頭ごなしに怒るのではなく、選手たちに自覚をうながす種類のものである。
特に、ミスを許さない姿勢は川崎で徹底されている。
昨年末のサンロッカーズ渋谷との試合、2Qにポイントガード(PG)藤井祐眞がミスをするやいなや、篠山竜青との交代を命じられた。3Qで篠山竜青がミスをした瞬間、今度は藤井が呼ばれたが、藤井が交代を待つ間に篠山が素晴らしいドライブからゴールを決め、交代が取りやめになった。
それでは選手がミスを恐れるあまり、委縮してしまうのではないか?
北HCは確かにその側面はあると認めつつ、ミスの中でも線引きをしている。それが分かるのは1月27日の千葉ジェッツふなばし戦で10得点、6リバウンドの成績を残した谷口光貴のケースだ。