プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
鈴木みのるが札幌で得た通行手形。
棚橋を病院送り……次はオマエだ!
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2018/01/30 11:20
インターコンチネンタル王座のベルトを置いて、ビールを飲みながらの記者会見。ついに……鈴木の復活劇が始まった!
「もう1つは、アイツを徹底的に壊すこと」
足4の字固め、ヒールホールド、ヒザ十字固め。鈴木は執拗に足殺しを続けて棚橋を追い込んでいった。
「ああ、パイルドライバーで簡単に仕留めちゃ、面白くないだろう。2つ目的があった。1つは、アイツの口から『参りました』と言わせること。もう1つは、アイツを徹底的に壊すこと」
試合は30分を超えた。
「面白くしてくれと言ったのはアイツだろう」と言わんばかりに棚橋がもがき苦しむ姿を鈴木は笑いながら見て楽しんでいた。
「オレの頭を上から踏んづけているヤツら!」
新王者の鈴木はベルトを抱えると、テレビの若いレポーターに視線を投げて、カメラの向こう側にいるはずの選手たちに向け、こう宣言した。
「オマエたちが足で踏んづけているこのオレの頭。そんなに安くねえんだよ! まだいるだろう、このオレの頭を踏んづけてるヤツらが!
このインターコンチは(新日本プロレスの中で)何番目のベルトなんだ? 言ってみろ。言ってみろよ。オマエが言わなくても、オレがよく知っている。そう、今日来た客もよく知っている、みんな知っている。そう、オレの頭を上から踏んづけているヤツ、オレはオマエのところに行く。
これは手形だ。通行手形だ。1回オレが負けたから、オレの髪の毛がなくなったから、鈴木軍が止まったとか思っているんじゃねえぞ」
鈴木みのるの鬼のような逆襲が始まった。
1年間遠回りをしてしまってはいたが、鈴木が一度逃したIWGPのベルトにまた接近してきたのを実感できた。