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FA市場の遅滞とダルビッシュの行方。
1億5000万ドル級の大型契約はあるか。

posted2018/01/20 11:30

 
FA市場の遅滞とダルビッシュの行方。1億5000万ドル級の大型契約はあるか。<Number Web> photograph by AFLO

レンジャーズ、ドジャースと渡り歩いたダルビッシュ。今シーズン着用するユニホームは果たして……。

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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 FA市場の展開が滞っている。春季トレーニングの開始まであと1カ月というのに、派手なニュースがなかなか飛び込んでこない。行く先の決まっていない選手の数が、今年はことのほか多いような気がする。契約総額(複数年)が1億ドルを超えそうなビッグネームだけに絞っても、ジェイク・アリエータ、ダルビッシュ有、J・D・マルティネス、エリック・ホズマーの行く先が未定だ。

 もっとも、この傾向は数年前から見受けられた。プリンス・フィルダーがタイガースと契約を結んだのは2012年1月26日、マックス・シャーザーがナショナルズと契約したのは2015年1月21日だった。クリス・デイヴィスも2016年1月21日にオリオールズと契約を結んでいる。3人ともFA資格を持っていた。つまり、1月下旬の契約成立は珍しくない。

 その一方で、年俸調停は着々と進んでいる。今季終了後にFA資格を取得するジョシュ・ドナルドソンは年俸2300万ドル、同じ境遇のマニー・マチャドも年俸1600万ドルを獲得し、来季以降の大型契約に向けて足場を固めている。彼らに加えて、ブライス・ハーパーやアンドルー・マカッチェン、チャーリー・ブラックモンらもFA資格を獲得するから、来年のいまごろは、ストーヴリーグがさぞかしにぎやかになることだろう。

今のダルビッシュはどれだけの実質的価値なのか。

 それはともかく、現在の興味はダルビッシュの行く先だ。最近の報道によると、行く先は6球団に絞られたらしい。候補とされるのは、アストロズ、カブス、レンジャーズ、ツインズ、ヤンキース、ドジャース。それぞれ因縁があるが、現在31歳のダルビッシュにはどれだけの実質的価値があるのだろうか。

 ダルビッシュは、NPBに7年、MLBに6年在籍してきた。レンジャーズに入団したのが25歳の2012年で、2015年はまるまる休んでいるから、アメリカでの実質活動期間は5年弱だ。'18年開幕時の年齢は31歳。これまでの投球回数を通算すると、日本時代が1268回3分の1、MLBが832回3分の1、米国マイナーが27回で、合計は2127回3分の2に達する。

【次ページ】 ヴァーランダーらと総投球回数を比べてみると。

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