ラグビーPRESSBACK NUMBER
選手権連覇の先に見る「世界基準」。
ラグビー日本一、サントリーの野望。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKyodo News
posted2018/01/15 12:05
沢木敬介監督、流大キャプテン体制で、2年連続の2冠を達成したサントリー。彼らが目指す「世界標準」の実現を見てみたい。
スローガンを本物に変えたのは意志の力である。
ラグビーに限らずどんなスポーツのどんなチームでも、シーズン開幕当初に掲げたスローガンに生命を吹き込み続けるのは難しい。結果を出し続ければ油断やスキが、勝利から遠ざかれば諦めや打算が忍び寄ってくる。
各選手が“ステイ・ハングリー”を胸に刻み込み、シーズン最後のゲームまできっぱりとした像を結んでいったサントリーの姿勢は、間違いなく評価に値する。
ただ、沢木監督と流キャプテンが牽引するチームは、パナソニックらのライバルに打ち克つことを最終目標としていない。視線は世界へ向いている。
「僕らはインターナショナルスタンダードという目標を掲げていますので、この優勝に満足することなく、もっともっと自分たちのレベルを上げて、日本のラグビーを引っ張っていけるよう頑張りたい」
誇らしさを感じさせていい2冠達成の直後にも、流は飢えた思いを言葉にした。日本代表にも名を連ねるキャプテンの発言をなぞりながら、沢木監督もさらなる野心を明かす。
「インターナショナルスタンダードを大事にしているので、そこはブレずに追求していく。チャンピオンは全チームのターゲットになりますが、それを自分たちへのご褒美としてさらにレベルアップしていきたい」
インターナショナルスタンダード=世界基準に照らせば、国内2冠のチームにも物足りないものはある。それがまた、サントリーの可能性を拡げていくのだ。