ラグビーPRESSBACK NUMBER
選手権連覇の先に見る「世界基準」。
ラグビー日本一、サントリーの野望。
posted2018/01/15 12:05
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Kyodo News
誰よりも勝利に飢えていた男たちが、頂点に君臨した。
1月13日に行われた日本選手権兼トップリーグ総合順位決定トーナメント決勝で、サントリーサンゴリアスが優勝を飾った。トップリーグの上位4チームが日本選手権を争う新たなレギュレーションのもとで、沢木敬介監督が率いるチームは昨シーズンに続いて2冠を達成したのである。
「今シーズンのスローガンは“ステイ・ハングリー”で、成長が止まれば衰退が始まる。一日一日少しでもいいので成長しながら去年のチームを越えていく。そうすれば必ず優勝できるという意識のもとで、ハードワークできたシーズンだったと思います」
パナソニックワイルドナイツを決勝で退けた直後、就任2年目の指揮官はこう話した。
トップリーグの成績は12勝1敗で、13戦無敗のパナソニックにあと一歩及ばなかった。それでも、トーナメントという一発勝負の「点」を制したわけではない。昨年8月に開幕したリーグ戦からつながる「線」で、レベルアップを果たしてきた結末である。
「完全な負け試合」と反省した9月のヤマハ戦。
ふたつの試合が印象深い。
ひとつは昨年9月のトップリーグ第3節である。昨シーズン2位のヤマハ発動機ジュビロとの一戦は、残り10分を切ったところで逆転を許す展開となる。最終的にはスコアを引っ繰り返して27-24で競り勝ったが、試合後の沢木監督は「完全な負け試合でした」と切り出した。
「最後まであきらめずにトライを取りにいったハングリーな部分は良かったですが、自分たちに足りないところを再確認できた試合になりました。スクラムをうまく組めていなかった。自分たちで勘違いしている部分があったのでは。もう一回やり直しですね。作ったチャンスをしっかり仕留められるか、といったところをしっかり意識してトレーニングをしていきたい」