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<日本アイスホッケーの未来を背負って>
スマイルジャパン「心をひとつに」 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph byNanae Suzuki

posted2018/02/01 11:00

<日本アイスホッケーの未来を背負って>スマイルジャパン「心をひとつに」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

右から大澤ちほ、藤本那菜、鈴木世奈。

「日本の特徴はスター選手がいないこと」の真意。

 鈴木は'15年10月、カナダリーグ「CWHL」のチーム「トロント・フューリーズ」に加入し、2シーズン、プレーした。

「高校生の頃から海外のチームでプレーしてみたい気持ちはありましたが、ソチでまだまだ自分たちのレベルじゃ足りない、もっと経験をしないといけないと感じて、チャレンジしました」

 チームには金メダルを獲った選手がいた。「何でもいいから盗もう」と考え、一緒にトレーニングさせてもらい、食生活など細部にわたるまで学んだ。

 選手それぞれにレベルアップを図る一方で、チームとしての土台を築いていった。

 その核となったのは、コミュニケーション、チームワークを大切にすること。

 大澤は言う。

「日本代表の特徴はスター選手がいないことです。海外を見ていると何人かのスキルの高い選手がいて、その選手が点を獲ったりチャンスを作るチームも多いですが、日本は誰かに頼って勝てるというわけではありません。また、身体が小さい分、フィジカルの強い相手に対しては2対1の状態である場面を多くしていかないといけません。みんなで助け合わなければならない。チームとして戦うためにもチームワークが大切です」

 選手間の関係が薄れていると感じた時期もある。そのときには選手と選手とでバディー(相棒)を作って毎日、互いに連絡を取らせるようにしたり、チーム内にグループを形成してチームに対する役割を持たせて活動させた。

「責任感を持ってもらい、チームのことをもっと考えられるように、という意図からです。以前よりもそれぞれがチームのことを考えられるようになり、お互いにサポートしあう力がついたと思います。それだけじゃなく、もともとは監督やスタッフに言われてやるチームだったけれど、今は選手が主体的に動けるチームになったんじゃないかと感じています」(大澤)

 チームへの意識を高め、一体感を築いていった。

【次ページ】 最終予選グループを3戦全勝で突破し平昌へ。

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