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大谷翔平は野茂英雄に次ぐ開拓者だ。
二刀流がメジャーでも魅力的な理由。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byAFLO
posted2018/01/11 11:30
自主トレであどけない表情を見せる大谷。その表情から想像し得ないプレーを、メジャーリーグは目撃することになるはずだ。
ベンチ登録25人のメジャーで二刀流は魅力。
二刀流は今のメジャーリーグにとって魅力的なオプションのひとつだ。
ベンチ登録25人で162試合を戦う強行軍の中で、先発投手の“上がり”制度はない。先発5人ローテーションならば、登板のない4投手は毎試合ベンチ入りするものの、基本的に登板はない。よって出場可能な選手は21人しかいないことになる。
28人登録で25人の出場が許されるNPBの143試合制とはかなり違う。メジャー各球団は投手と野手の二刀流こそ、ロースターの有効活用に直結すると感じ取っている。
2017年6月に行われたドラフト会議でも二刀流選手がふたり指名された。
ドラフト1巡目、全体2番目でレッズから指名された18歳のハンター・グリーンは投手と遊撃手。全体4番目でレイズから指名されたブレンダン・マッケイは投手と一塁手だった。
「二刀流の難しさは時差が生じてしまうこと」
ふたりはともに2017年シーズンを二刀流としてマイナー組織で過ごしたが、レッズのグリーンは1シーズンで二刀流を断念。今季から投手に専念することになった。
マッケイは2シーズン目となる今季も二刀流でのメジャー昇格を目指す。
全面的なサポートを約束するレイズのエリック・ニーンダーGMは「チームにとって魅力的なオプション」と語る一方で、容易ではない挑戦とも説明した。
「二刀流の難しさは時差が生じてしまうことです。両方が同じ時期に十分なレベルに到達しない。同じ比率で成長することが難しいのです。重要なことは、片方が良くなってもう一方が遅れるからと言って、悪い方を諦めるのではなく、悪い方が良い方に追いつくまで我慢することです。これが二刀流成功へのポイントであり、難しさです」