酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
内川聖一は当代最高の右打者である。
あまりにも圧倒的な3つの数字。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNaoya Sanuki
posted2018/01/10 11:30
内川聖一は歴史に残る名打者である。彼が一線級であるうちに、その名人芸を目に焼き付けておきたい。
王さんも、昔まったく三振しない打者だった。
内川聖一のボスであり、同じ背番号「1」の王貞治は、かつては「王、王、三振王!」と呼ばれた荒っぽい打者だったが、今年の内川と同じ36歳を迎える年には49本塁打45三振、翌年には50本塁打37三振と、本塁打数より少ない三振数を記録した。当時の投手は王貞治に投げる球がなかったはずだ。
タイプは違うが内川聖一も同じ境地に達しようとしている。
あと25本で2000本安打。怪我さえしなければ、ゴールデンウィーク前にはクリアするはずだ。この数字は内川には単なる通過点に過ぎないだろう。
飛ばないボールと大きなグランド、鋭い変化球を多用する投手たちの時代に、内川聖一は昭和の大打者に並ぶような好成績を叩き出している。
もう1つだけ付け加えるなら、内川聖一はNPBではただ1人、2009年、2013年、2017年とWBCに3回出場した選手だ。4年後の2021年、内川は38歳で果たして侍ジャパンのユニフォームを着るのか?
あと4年頑張れば、史上8人目の2500本安打も見えてくる。年男、内川聖一から今年1年、目が離せない。