“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
前橋育英と流経柏の凄すぎる決勝戦。
高校サッカー離れした“戦術バトル”。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byAFLO
posted2018/01/09 12:00
熱戦に終止符を打った前橋育英・榎本の一撃。このフィナーレに至るまでの戦略は、高校生離れしたものだった。
流経柏が最後まで粘り強く戦い切ったからこそ……。
「時間が経つにつれ、どんどん前橋育英が活発になっていった。こっちは攻撃の手数がどんどん減って行って、“これがダメなのか……じゃあどうすれば良いんだ”になってしまった。それを考えている間にどんどん攻め手がなくなってしまった。結果的に試合中にそれが解決できないまま終わってしまった」(菊地)
最後に大きな差を生んだ“戦術的浸透度”。前橋育英が必然の勝利と初優勝を手にした。
だが、最後に記しておきたい。明暗はくっきりと分かれたが、名将と選手達の意図がめまぐるしく交錯した90分間は、非常にハイレベルで見応え十分だった。
裏を返せば、流通経済大柏が最後まで駆け引きと粘り強さを見せたことで、前橋育英の研ぎ澄まされた“戦術的浸透度”を引き出したとも言える。
だからこそ、ファイナルに相応しい戦いを見せてくれた両チームに心から拍手を送りたい。