Number ExBACK NUMBER
佐々木主浩は馬のどこを見ている?
シュヴァルグランと有馬記念を語る。
text by
薦田岳史(Number編集部)Takeshi Komoda
photograph byKeiji Ishikawa
posted2017/12/22 15:30
ジャパンカップ優勝時の佐々木氏。複数のGIを勝ち抜いてきて、オーナーとしての風格も十分!
「オグリキャップのラストランを見てから始まった」
そもそも、佐々木氏が競馬にのめりこんだのは、プロ野球、横浜大洋ホエールズ入団1年目のオフに「奇跡のレース」を目の当たりにしたのがきっかけだった。
「オグリキャップのラストランを見てから、僕の競馬は始まっているからね。あのレースに感動して、競馬にのめりこんだ。だから、自分の競馬の原点である有馬記念に、自分の馬を出せるのは本当に嬉しいんです」
佐々木氏は2005年の現役引退後「野球以外でも夢を持ちたい」と思い、地方競馬の馬主に。最初に持った馬は道営の「ミスターフォーク」号だった。
「その後、たまたま寿司屋でアドマイヤの近藤会長(近藤利一氏)にお会いして、中央に入るキッカケをいただき、翌年に中央の資格を取って馬を持ちました」
佐々木氏は、馬のどこを見て購入を決めているのか?
それから10年後、佐々木氏は、自身が「ハルちゃん」と呼び、惚れ込んだハルーワスウィートの子供たち――ヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィヴロスの3頭を所有し、GIを5勝した。
決して所有頭数が多いわけではないのに、これほどずば抜けた成績を残せるのはなぜなのだろうか。
「馬を買う時に一番重視していることですか? もちろん血統は見ますけど、一番は最初の立ち姿かな。スポーツ選手でもみんなそうだと思いますけど、やっぱりいい選手はみんな全体のバランスがいい。馬もそれは一緒だと思います。あとはプロの人(調教師)がいるんで、その人にどう思います? って」
そうして、佐々木氏に見いだされた馬たちが今、ターフで躍動しているのだ。