フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
ロシア女子が圧勝も日本勢も収穫アリ。
GPファイナルの結果から五輪を検証。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2017/12/19 08:00
表彰の後、名古屋に集まったフィギュアファンに応えてリンクを回ったメダリストたち。先頭からザギトワ、ソツコワ、オズモンド。
「試合勘が戻ってきた」と濱田コーチ。
宮原を指導している濱田美栄コーチは「残念な気持ちがまったくないわけではないけれど、全体はうまくもってこれている。元々出る予定の試合ではなかったので、調整はせずに練習の一環として出ようと思って来ました。大分試合勘が戻ってきている」と評価。
1月に疲労骨折の診断を受け、当初の予定よりも回復に時間がかかった。本格的にジャンプの練習を再開したのは10月に入ってからだったというが、1試合ごとに着実に調子を上げてきて、怪我をする前の状態に近づきつつある。
また今シーズンのプログラムが、素晴らしい作品に仕上がった。
SPはローリー・ニコル振付による『SAYURI』、フリーはトム・ディクソン振付の『蝶々夫人』と、どちらも和のテイストを取り込み、たおやかながらも凜とした日本女性を演じる。
怪我で氷に立てなかった間、フロアで振付をおさらいし、バレエのクラスにも通ったというだけあって、両方とも隙のない丁寧な作品に仕上がった。
初出場だった樋口新葉は、総合6位に終わったものの、特にSPでは高いレベルの演技を見せた。彼女と宮原は次は全日本選手権で競うことになる。
日本人選手の3人とも、GPファイナルでの経験を生かして、さらにステップアップした演技を見せてくれるに違いない。