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浅田真央ってどんな人?
本人が語る、今までとこれからの私。
posted2017/12/20 12:50
text by
藤森三奈(Number編集部)Mina Fujimori
photograph by
Akinori Ito
浅田真央ってどんな人? と聞かれたら――。
8年前なら、編集者の私はこう答えた。
「まず、圧倒されるほどの輝きを放っている。姿勢が良く、凛とした美しさがあり、誰に対しても礼儀正しく、相手の目を見てしっかりと受け答えする。『真央は~』とおっとりと話し始めるが、実は芯が強く、その後に出てくる言葉は自信に溢れている」
8年前、彼女は19歳。バンクーバー五輪前後の話だ。2008-09シーズンから本格的に師弟関係を結んだタチアナ・タラソワのもと、フリープログラムで2度のトリプルアクセルを入れるなど技術的な面に加え、『仮面舞踏会』というこれまでとは違ったイメージの曲に挑むなど、フィギュアスケーターとして大きな成長を遂げていた。
世界選手権やグランプリファイナルの頂点の座も手中にし、“女王”としてバンクーバー五輪の準備を着実に積み重ねていた頃だ。
「私、あの頃はものすごく気が強かったと思います」
2009-10年、その五輪シーズンのフリープログラム『鐘』のステップシークエンスを覚えているだろうか。指の先まで赤と黒の衣装に身を包み、長い手足を最大限に使い精魂尽くして踊り切る約40秒。タラソワコーチに課せられたハードルの高い振付けをモノにした彼女は、自分のステップは世界一だという自信を持っていた。
「私、あの頃はものすごく気が強かったと思います。それが滑りに出ているんです」
2017年12月、27歳になった浅田真央は『Sports Graphic Number』(942号/12月20日発売)のインタビューで当時を振り返りそう言った。
「スケートは、そのときの心境や性格がすべて出てしまうから怖い。ソチ五輪のあと1年休養して復帰してからは、優しい雰囲気になったと自分でも思います」