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ブライアンに並ぶ朝日杯の最大着差。
ダノンプレミアムは距離延長もOK?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2017/12/18 12:00
ダノンプレミアムの強さは圧倒的だった。クラシックにつながらないと言われる朝日杯だが、来年への期待度はかつてないほど高い。
ストライドが大きいフォームは、距離延長も○?
厩舎開業4年目の中内田調教師にとって、これがGI初制覇。10月に史上最速で通算100勝を挙げた気鋭は「目指すところはひとつ。クラシックを目指して距離を延ばしていけれはと思います」と、2000mの皐月賞、2400mのダービーを見据えている。
マイルでも行きたがるだけに、距離延長が不安視されるかもしれないが、このレースのように引っ張り切れない手応えで進んだほうが弾けるタイプかもしれない。
また、無理に抑えず、ビュンビュン行かせたら行かせたで、香港カップを勝ち、仏イスパーン賞をブッちぎったエイシンヒカリのような競馬ができるのではないか。あの馬も同じディープ産駒だ。ストライドが大きいフォームは、距離が延びると、より破壊力を増すような気がする。
2歳王者をほぼ手中。ホープフルSも楽しみに。
2着は、新種牡馬ロードカナロア産駒のステルヴィオだった。直線入口で進路が狭くなったが、外から力強く伸びてきた。前走のサウジアラビアロイヤルカップにつづいて、ダノンプレミアムの2着。とにかく相手が悪かった。
3着は京王杯2歳ステークスの勝ち馬タワーオブロンドン。クリストフ・ルメールがコメントしたように、道中、掛かったことが響いた。ベストは1400mか。
プレビューで本命にした福永祐一のダノンスマッシュは、ゲートを出てすぐ躓き、落馬寸前になったのが痛かった。それでも5着に来たのだから、力はある。
今年からホープフルステークスがGIに昇格したため、朝日杯だけが「2歳王者決定戦」ではなくなった。しかし、2戦2勝でホープフルステークスに臨むジャンダルムかサンリヴァル、ジュンヴァルロあたりが、よほどインパクトのある勝ち方をしない限り、今年の2歳王者はダノンプレミアムで決まりなのではないか。
ホープフルステークスの楽しみまでもふくらませる、朝日杯の圧勝劇であった。