NumberPREMIER ExBACK NUMBER
「(河村勇輝の活躍は)全部見ています」田臥勇太が語る河村勇輝の“好きなところ”「まず彼のパスの速さが好きで…全然違和感がない」
posted2025/03/13 17:04

'04年にサンズで日本人初のNBA選手となった田臥
text by

大西玲央Reo Onishi
photograph by
Kiichi Matsumoto
発売中のNumber1115号に掲載の《[先駆者インタビュー]田臥勇太「彼のパスの速さが好きなんです」》より内容を一部抜粋してお届けします。
河村勇輝の活躍は「全部見ています」
渡邊雄太が2018年にNBA入りしてから7シーズン、リーグには常に日本人選手がいる状態が続いている。今ではそれが当たり前のような事実となっているが、それまでは日本人がNBAにいるということは容易に考えられるものではなかった。
最初にその壁を破ったのは'04年にフェニックス・サンズで日本人初のNBA選手という称号を手にした田臥勇太だ。通算4試合というキャリアながらも、デビュー戦で3Pシュートを沈めたあの衝撃は今でも多くのファンの脳裏に焼き付いている。そんな田臥にとって河村勇輝はどのように映っているのか。
――河村選手の活躍は見ていますか。
ADVERTISEMENT
「全部見ています。ハッスルでは主力ですし、グリズリーズでもベンチにいる時はどうしているのかなどチェックしています。プレーはもちろんですけど、Gリーグの環境やNBAの環境に対してどういう姿勢でやっているのかなというのはすごく注目しています。河村選手のことは高校時代から見ていますが、やはり自分と同じサイズ感での活躍というのは親近感が湧きます。どういう目線で見ていたり、どういう雰囲気があったり、どういう感じでやっているのかなというのはやっぱり興味があります」
田臥がプレーした時代との違い
――今のGリーグと田臥選手の米挑戦中のGリーグ(当時はDリーグ)はだいぶリーグとしての環境も立ち位置も違いますよね。
「僕の時はDリーグ1チームに対してNBA3チームが関わっているという状況だったので、そこが一番大きく違いますね。それが今では全チームがGリーグチームを持っていて、そこから上に上がって活躍している選手も年々増えていっています。オールスターでも同じ枠としてプレーできたりと、選手たちがより身近にNBAを感じられる場になっていると思います」
――より育成機関に近くなってきた感覚があります。それでも「俺が、俺が」という気持ちはやはり強く感じますか。
「基本そうじゃないですか、見ている限り。でも自分の頃はよりそれが強くて、戦術なんてあってないようなものでした。持ったら点を取りにいく、そうじゃないと駄目な部分も当然ありますし、その中でどう生きるか。練習の段階から何も常識が通じるレベルじゃなく、それが基本なんですよね。選手たちはNBAに入るためにやっているんだからそれが当然だという状態で、そんな中でもヘッドコーチもいるのでチームバスケもしなければいけない。そのバランス、ハングリーさ、サバイバルという面はすごく経験しました」
――ポイントガードだとボールを手放さないといけない中での自分のアピールはどういうバランスでやられていましたか。