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初メジャー制覇キム・インキョン。
強さの源はゴルフ以上に人生を……。
posted2017/11/12 07:00
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Shizuka Minami
ゴルフチャンネルのレポーターの片平光紀が言う。
「今朝、一緒に散歩したんですよ」
「え、散歩?」
筆者は散歩の意味をすぐには理解できず、立ち止まって考える。だが、やっぱりよく分からない。だってゴルフ関係者にとって、今日は休日ではない。今日は、米女子ゴルフのメジャー第4戦「全英リコー女子オープン」の最終日である。そして片平の散歩の相手は、3日目を終えて単独首位のキム・インキョン(韓国)だったからだ。
インキョンは8歳でゴルフを始めて、16歳で渡米した。片平とは、サウスカロライナ州の高校で同じゴルフ部に所属した。
最終日最終組でインキョンがティーオフする。2打差まで詰められるも、終日安定したプレーで今季通算3勝目そして自身初となるメジャー制覇を果たした。
気のおけない友人との散歩が、プレーに効いたのだろうか?
強さの秘訣を聞きたくて、後日、インキョンに電話をした。
1日か2日で劇的にゴルフが変わることはありません。
――今年は好調ですね。
「たまたま好成績が続いてるなと感じています。試合に臨むために日々準備をしているだけです。長年ずっと同じコーチですし、自宅にいるときでもトレーニングや練習のルーティンがある生活をしています。もう29歳ですから、1日か2日で劇的にゴルフが変わることはありません」
――何か練習法やトレーニングなど、今季、特別に取り組んでることは?
「特にないですね」
――米ツアー11年目、モチベーションはどうやって維持を?
「維持しないです。正直に言って、モチベーションはあったりなかったり。誰かから強制されて出てくるものじゃないので、モチベーションがない時はそれを受け入れるだけです」