イチ流に触れてBACK NUMBER
日本球界復帰の選択肢は無しか。
イチローが目指すメジャー18年目。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byAFLO
posted2017/11/07 11:30
最終戦後にチームメイトに笑顔で挨拶するイチロー。“レジェンド”がチームで慕われていたことが伝わってくる。
赤字脱却のために、若手主体への切り替えを決断。
周知の通りマーリンズは、本塁打と打点の二冠王に輝いたジアンカルロ・スタントンに加え、今季自身2度目のシーズン200安打を放った正二塁手のディー・ゴードン、三塁手のマーティン・プラドの3選手をトレードで放出する方針を固めている。
赤字が続く球団経営からの脱却には、選手の年俸総額削減は新経営陣にとって大命題。来季も現有戦力を保持した場合、総年俸は1億4000万ドル(約159億6000万円)にもなる。今季の球団総収入はある関係者によれば、7000万ドル(約79億8000万円)にも満たないと言う。
ジーター氏が最高経営責任者に就いたことで今季以上の増収も予想できるが、さすがに収入が倍増するとも思えない。
新経営陣は来季総年俸を9000万ドル(約102億6000万円)まで下げる結論を出し、3選手のトレード案が具現化した。
スタントンが2500万ドル(約28億5000万円)、ゴードンが1000万ドル(約11億4000万円)、プラドが1400万ドル(約16億3550万円)。合計で4900万ドル。この3人の放出は年俸総額9000万ドルの削減に直結する。
ジーターCEOは、3年から5年先を見据えているのでは!?
そしてもうひとつ見えてくるのが、交換要員はマイナーの若手有望株になると言うことだ。
3選手の見返りに実績のある選手を獲ろうとすれば、予算には収まらなくなる。ジーターCEOは未だ具体的なチーム再建策を表明していないが、状況から推測するに3年から5年先を見据えたチーム再建を考えているのではないか。
44歳のイチローと新生マーリンズの間では、価値観が一致しなかった。残念でならないが、これが事実であろう。