イチ流に触れてBACK NUMBER
日本球界復帰の選択肢は無しか。
イチローが目指すメジャー18年目。
posted2017/11/07 11:30
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
AFLO
マーリンズのデレク・ジーターCEOは3日、球団が持つイチローとの来季契約の選択権を行使しなかった。これにより、イチローは日米全球団が獲得可能なフリーエージェントの選手となった。
想定内の結論とも言えた。ヤンキース時代に2年半をともに戦い、選手として多くの価値観を共有したジーター氏とイチロー。日本的な“情”の精神で考えれば選択権行使もイメージできたが、ビジネスサイドで割り切れば、チーム再建に舵を切る最高経営責任者が44歳との契約を更新するとは考えにくかった。
それはイチローとて想定済み。シーズン最終戦後に彼はこう言った。
「僕も去るかもしれない。それはわからないからね。うん」
とは言うものの、ワールドシリーズ終了後4日以内の選択権行使はなくとも、マーリンズとの再契約の可能性は残るとも考えられた。
2月のキャンプインまでチーム編成は流動的となることが多い。そのために再契約の余地を残しておくのではないか。
だが、そんな甘い期待はすぐに消え去った。
マーリンズは主力を軒並み放出予定。
マーリンズが公式ツイッターでハイライト動画を投稿し「Thank you,Ichiro」と感謝の言葉を添えればマイアミの地元紙も続々と速報記事を掲載した。
マイアミ・ヘラルド紙が「さらばイチロー。マイアミはベースボール・レジェンドと別れを告げる」の見出しで報じ、サンセンチネル紙は「マーリンズは2018年にイチローを呼び戻さない」と展開した。
オフの市場動向に関係なく、マーリンズは再契約の意思がないことをはっきりと示した。
それも仕方のないことと感じる。