【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
DeNA前社長・池田純が今だから語る。
ラミレス抜擢と“暗黒期”の秘話。
posted2017/10/27 12:45
text by
池田純Jun Ikeda
photograph by
Kyodo News
横浜DeNAベイスターズが日本シリーズ進出を決めました。私は辞めた身ということもありますが、現球団とはまったく関係がありません。ですが選手、スタッフを含め、横浜という街が盛り上がって、本当によかったと感じました。
アレックス・ラミレス監督とは、現役時代から親しくしていました。彼と英語でコミュニケーションをしっかり取れるのが私くらいしかいなかったので(笑)。選手のころから、ラミレスは「将来はマネージャー(監督)をやりたい」と話していました。
10名ほどの監督候補の中で決め手になったのは……。
2015年、中畑清さんが監督を退任され、次期監督を選ぶ時のことです。ラミレスは監督に向いているのではないかと思い、高田繁GMを含めて三者面談を行いました。その時の情熱がすごかった。事前にしっかりと準備をして、自分には何ができるのか、というプレゼンテーションをしてくれました。
中畑監督のもと、'13年には6年ぶりに最下位を脱出するなど、チームの底力が上がっている実感はありました。そこからさらにステップアップするために必要なのは、安定して結果を残せるようになることでした。
ほかにも監督候補者は10名ほど挙げられていたのです。しかし、チームに欠けているものを埋めてくれるのはラミレスだと思い、決断しました。
ラミレスは、選手のころから“平常心”に重きを置いていた。打った日も、打てない日も、ブレない自分を持ち続ける精神力を持っていました。彼が監督になれば、チームにもブレない軸ができるのでは……。そう考え、ラミレスを監督に抜擢したのです。