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ホークス“突破0%”覆した無安打男。
達川コーチの城所起用という大博打。

posted2017/10/25 07:00

 
ホークス“突破0%”覆した無安打男。達川コーチの城所起用という大博打。<Number Web> photograph by Kyodo News

城所、中村晃……MVPの内川、復帰の柳田らの陰に隠れるが、ソフトバンクの陣容の厚さを象徴するCSとなった。

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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Kyodo News

 球史を塗り変えた。

 突破率0%を言われたホークスが、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージを勝ち上がり、2年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。

 一体、何が「0%」だったのか――。

 '07年にCSという名称で、両リーグが揃ってポストシーズン制度を始めて以来、パ・リーグでは初戦黒星からの日本シリーズ進出例は昨年までの10年間で一度もなかったのだ。

 ましてや今回のホークスは、連敗スタートである。

「正直、ヤバいなという雰囲気はあった」と工藤公康監督はCSが終わって初めて、素直な気持ちを口に出した。

「でも、戦っている最中は表に出すものではないと思っていたからね」

先行逃げ切りが必勝パターンも、先制されると……。

 たしかに連敗中は、試合内容も最悪だった。

 初回に先制を許す試合が続いた。

 第1戦は東浜巨が、茂木栄五郎に先頭打者本塁打を浴びた。第2戦は千賀滉大が1アウト後に四球を出し、続く銀次のライト前ヒットを川島慶三がバウンドを合わせ損ねて後逸。その間に走者の本塁生還を許した。川島は内野手登録。外野を守ったのは今季4試合しかなかった。

 先行逃げ切りがホークスの必勝パターンだ。今季のレギュラーシーズン、先制試合は73勝9敗に対して、逆に先制を許した場合は21勝40敗だった。

 その最悪な流れを変えたのは、“常識破り”と言ってもいい選手起用だった。

 第3戦、発表されたスタメンを見たとき、驚きしかなかった。

 2番センターに城所龍磨、5番レフトに長谷川勇也、9番セカンドに本多雄一を入れた。さらに5番だったデスパイネの打順を3番に、2番の今宮健太は1番へと繰り上げた。

 あまりにも大胆すぎる変更だ。

【次ページ】 報道陣から失笑すら起きた城所が大活躍。

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