酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
歴代671人のドラ1はどうなったか。
パを苦しめた「入団拒否」問題も……。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byYuki Suenaga
posted2017/10/24 07:00
3年間の高校生活で注目を集め続けた清宮。どの球団が交渉権を得るにせよ、ドラ1としてのプロキャリアスタートとなるのは間違いない。
200勝以上したドラ1投手は……何人いるの?
<投手、勝利数10傑>
1.山田久志 284勝(阪急 1968年)
2.東尾修 251勝(西鉄 1968年)
3.村田兆治 215勝(東京 1967年)
4.北別府学 213勝(広島 1975年)
5.江夏豊 206勝(阪神 1966年一次)
6.堀内恒夫 203勝(巨人 1965年)
7.斎藤雅樹 180勝(巨人 1982年)
8.桑田真澄 173勝(巨人 1985年)
9.佐藤義則 165勝(阪急 1976年)
10.槙原寛己 159勝(巨人 1981年)
200勝以上は6人。ドラ1投手437人の1.37%。1966年以降、200勝投手は10人だが、そのうち6人がドラ1選手だ。
プロのスカウトの目は確かだ。2000本、200勝という球史に残る成績を上げた選手は、ドラフト1位で入団している可能性がかなり高いのだ。もちろん、ドラ1選手でも、2000本、200勝までいく選手はごく少数だが、その確率は2位以下で入団した選手よりも格段に高いのだ。
反対に、ドラ1で指名されながら、一度も一軍の試合に出場しなかった選手も31人いる(現役の3人を除く)。2000本安打、200勝を達成した選手より多いのだ。どんなものごとにも明と暗はあるが、ドラ1だからスター選手間違いなしとは言い切れないのだ。
球団別成績で見るとセ・パ間に明らかな差が。
では、球団別にドラ1選手が稼いだ安打数、勝利数、セーブ数を集計してみよう。この場合、他球団に移籍後の成績は含まない。球団名は現在のものとする。
<セ・リーグ>
巨人:16127安打 1470勝 314セーブ
中日:13017安打 984勝 378セーブ
広島:11911安打 1311勝 471セーブ
阪神:8830安打 1298勝 535セーブ
DeNA:7995安打 800勝 738セーブ
ヤクルト:6734安打 993勝 103セーブ
<パ・リーグ>
西武:10370安打 1214勝 341セーブ
ロッテ:8045安打 826勝 334セーブ
日本ハム:7389安打 978勝 102セーブ
ソフトバンク:5343安打 1039勝 281セーブ
オリックス:4780安打 1198勝 532セーブ
近鉄:3315安打 646勝 99セーブ
楽天:71安打 264勝 104セーブ
安打数、勝利数ともに巨人が1位、セーブ数は大魔神・佐々木主浩がいるDeNAだが、それ以外は巨人の実績が圧倒的だ。そしてパ・リーグ各球団の数字がいかにも見劣りする。