酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
歴代671人のドラ1はどうなったか。
パを苦しめた「入団拒否」問題も……。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byYuki Suenaga
posted2017/10/24 07:00
3年間の高校生活で注目を集め続けた清宮。どの球団が交渉権を得るにせよ、ドラ1としてのプロキャリアスタートとなるのは間違いない。
長年培ったスカウト、育成力が今生きている。
昭和は遠くなった今年、NPBは史上初めて観客動員が2500万人を突破した。2514万人のうち、セ・リーグが1402万人、パ・リーグが1112万人。かつて、パの観客動員はセにダブルスコアで負けていたが、今やもう少しで肩を並べるまでになった。
セ・パの「ブランド格差」もほぼなくなった。
今どき「巨人がいい」だの「セの在京球団限定」だのという選手はほとんどいない。今年の目玉、早稲田実業の清宮幸太郎は、ポスティングによるMLB挑戦を認めない巨人に指名されたら入団拒否するのではないか、という声さえある。時代は変わったものだ。
パ・リーグは、ノンブランドの屈辱に甘んじながら有望選手を見つけ、育ててきた。そのスカウト力、育成力が今も生きているから、交流戦でセ・リーグを圧倒しているという見方もできるかもしれない。
だから、である。
パ・リーグのスカウト網はそれほど凄いんだから、私が10年以上前に、町内の草野球で投じた重力に逆らわない魔球「へろへろフォーク」をチェックしていて、育成枠、ひょっとしてドラフト10位あたりで指名しないとも限らない。だから、10月26日は予定を入れないでおこうと思う。