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また監督交代、レスターよ気づけ!
岡崎慎司こそ“2.5トップ”の最適任。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2017/10/21 09:00

また監督交代、レスターよ気づけ!岡崎慎司こそ“2.5トップ”の最適任。<Number Web> photograph by Getty Images

バーディー、マフレズという“特化型”が生きるのは、岡崎というハードワーカーがいてこそ。レスターは戦術的な重要度に気づけるか。

バーディーの2トップの相棒に誰を選ぶか問題。

 8節終了時点で、レスターから勝ち点2差で低調な5チームが並んでいる。次節からは、そのスウォンジー、エバートン、ストークとの3連戦。安全圏への早期浮上は十分に可能だ。そのためにも、後半戦まで低迷が続いた昨季の過ちを繰り返してはならない。

 シェイクスピアの采配を見ると、結果的にラストゲームとなったウェストブロムウィッチ戦の戦い方は疑問だった。この試合ではジェイミー・バーディーの2トップの相棒にケレチ・イヘアナチョを選んだ。

 堅守を優先する対戦相手に、最前線のスピードと決定力で攻め勝つ意図があったに違いない。指揮官も試合前に「攻めの姿勢」を強調してもいた。だが実際には相手の思う壺だった。ラインを下げ、4バックの手前は3ボランチという敵の守備網を突破することができず、逆にリードを許した。

「中盤で持たせてくれるのでやりづらい」

 この試合を「中盤で持たせてくれるのでやりづらい」と評したのは、ベンチで見届けた岡崎慎司だった。戦前の予想に反してスタメンを外れたFWが言うように、レスターはボールを支配して攻撃を組み立てる能力は決して高くない。ウィルフレッド・ディディとビセンテ・イボーラの両センターハーフは、岡崎の言葉を借りれば「組み立て系よりは潰し系」だからだ。

 終盤のリヤド・マフレズによる同点ゴールも、いわゆるビルドアップとは無縁の攻撃によるものだった。この点はシェイクスピア采配を褒めるべきだが、2枚替えで3バックにシステムを変えると、左ウイングバックのベン・チルウェルのクロスを、ターゲットマンとして投入されたイスラム・スリマニが頭で折り返して決定機が生まれた。

 要員的に3バック向きとは言い難いが、シンプルで縦に速い攻撃がレスターらしさであることは明白。昨季にしてもシンプルなスタイルへの原点回帰が、残留という成果だったはずだ。

【次ページ】 守備は2トップ、攻撃は3トップになれる柔軟性。

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