プレミアリーグの時間BACK NUMBER
また監督交代、レスターよ気づけ!
岡崎慎司こそ“2.5トップ”の最適任。
posted2017/10/21 09:00
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Getty Images
つくづく、レスターは予想が難しい。3シーズン前のプレミアリーグ復帰1年目には、最後の9試合で22ポイント獲得のラストスパートで奇跡に近い残留を実現。翌シーズンには、正真正銘の奇跡を起こしてプレミア王者となった。続く昨季は、再び降格が危惧されながらの12位。そして今季はトップ10候補と目されていたはずが、ホームでウェストブロムウィッチと引き分けた8節で降格圏内の18位に転落という具合だ。
10月17日に解雇されたクレイグ・シェイクスピアの運命も、また同じだろうか?
シェイクスピアは今年6月に3年契約でを結んだばかりだった。今季の4敗は、いずれも格上の昨季トップ6との対戦でもある。しかしタイ人オーナーは、クラブをリーグ優勝とCL決勝トーナメント進出に導き、ファンに一生ものの夢を見せたクラウディオ・ラニエリを就任2年目に解雇した人物だ。
シェイクスピアはラニエリの後を受けて降格を回避した手柄があるとはいえ、はるかに首を切りやすい監督だったのかもしれない。
フロントに問題はあるが、重要なのはチームの今後。
もちろん、8節までに1勝しかできなかった責任すべてが指揮官にあったわけではなく、残酷な早期解任である。最大の責任は、補強などを担当するディレクター・オブ・フットボールのジョン・ラドキンにあると考えられる。
レスターは、今夏の移籍市場最終日にダニー・ドリンクウォーターをチェルシーに奪われた。ところが、新たなバランサーとなるべきアドリエン・シウバは、スポルティングからの獲得完了がタッチの差で間に合わなかった。その責任をシェイクスピアになすりつけたような解雇には、「愚か」とツイートしたガリー・リネカーのようにフロントを批判する声も上がった。
しかしながら、オーナーを限らず非を認めるはずなどない経営陣を非難したところで、苦境脱出には何のメリットももたらされない。早期解任の憂き目に遭うことも珍しくない監督の立場を「仕方のない現実」と言って受け止めていたのはシェイクスピア自身でもある。最も重要なのはチームの今後。漂い始めた残留争いムードを早々に断ち切ることだ。