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田中、ダル、前田が挑む世界一!
日本人のポストシーズン快投史。 

text by

ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2017/10/13 13:30

田中、ダル、前田が挑む世界一!日本人のポストシーズン快投史。<Number Web> photograph by AFLO

インディアンスは昨年のア・リーグ覇者であり、今季も9月に22連勝を記録。その勢いを止めた田中の功績は大きい。

岡島、上原、田澤が見せたハイパフォーマンス。

 佐々木、大塚、斎藤の後に続いたのは、岡島秀樹(当時レッドソックス)だった。

 岡島は2007年からの3年間で、今も日本人救援投手としては最多の21回1/3を投げて5失点。2007年のインディアンスとのア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦からロッキーズとのワールドシリーズでの3試合、翌2008年のエンゼルスとのア・リーグ地区シリーズ第2戦まで5試合連続でホールドを挙げている。岡島のポストシーズンでの通算8ホールドは今も日本人投手最多記録である。

 もっとも記憶に新しい日本人救援投手のパフォーマンスと言えば、2013年のレッドソックス日本人コンビ・上原浩治(現・カブス)と田澤純一(現・マーリンズ)である。

 上原はレンジャーズ時代に2回1/3を投げて5安打3本塁打と打たれて苦い思いをしているが、レッドソックスに移籍した2013年にクローザーに抜擢されると、レイズとのア・リーグ地区シリーズ第2戦で1回2三振と完ぺきに抑えて初セーブを記録。

 続く第3戦では同点の9回2死からサヨナラホームランを打たれて敗戦投手になったものの、第4戦の8回2死から登板して1回1/3を投げて無失点で2セーブ目を挙げてすぐさま立ち直り、タイガースとのア・リーグ優勝決定シリーズ第6戦、カージナルスとのワールドシリーズ第6戦とそれぞれシリーズ最後のマウンドに立って胴上げ投手になった。

13試合1失点、ワールドシリーズ優勝という離れ業。

 計13試合13回2/3を投げて1失点という2013年の上原のパフォーマンスは、彼がリーグ優勝とワールドシリーズ優勝時に2度も胴上げ投手になったという事実だけでは収まらない。ア・リーグ優勝決定シリーズの最優秀選手を受賞したことで、日本人選手としては2009年のワールドシリーズ最優秀選手賞に輝いた松井秀喜に匹敵するぐらいインパクトのあるものだった。

 なお上原のポストシーズン通算7セーブは、前出の佐々木をしのぐ日本人過去最多であり、自分1人で達成できる数字ではないことを考えれば、今後これを破る選手はなかなか現れないのではないかと思う。

【次ページ】 ダルビッシュと田中はワールドシリーズで勝てるか?

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