サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「サコが足元で受けるなら僕は裏へ」
岡崎慎司の現代表での仕事は何か。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byAsami Enomoto
posted2017/09/04 11:50
大迫勇也のキープ力と岡崎慎司の裏へ抜ける力、2つの選択肢を持つことができれば、日本の戦術の幅は大きく広がる。
FWを補強したレスターで、2得点を決めた価値。
欧州を主戦場とする岡崎は、チームに必要とされる選手になるため、チームに足りない仕事、求められる仕事を見出してきた。それは“汗をかく”プレーで他の選手との違いを生み出すことで、実際にレスターでの先発奪還に繋がっている。
しかしゴールから遠ざかれば、その立場も盤石とは言えない。シーズン後半には先発起用が増えたが、後半途中には交代を命じられるケースが多々あった。そして今オフもレスターは、ストライカーの補強を積極に行った。
そんな状況下で迎えたから、今季開幕からの2ゴールは大きな価値があった。「守備もするけれど、もっと攻撃に重きを置いて、ゴール前で戦っていく」と挑んだ成果だからこそだ。
代表に合流後にも「前で戦うという強い気持ちはレスターでも、代表でも変わらない。レスターと代表とで気持ちを切り替えるというのは、今はしていない。どこにいても僕の特長は変わらないし、それを出し切ることで、チームの力になれると信じている。チームに合わせてプレーするのではなくて、自分のプレーをしたい。それで日本代表にも貢献できるという自信がある」と語っている。
「サコが足元で受けるところを、僕なら裏を狙って」
ハリルホジッチ監督は対戦相手に応じて、選手や戦い方を変えていく指揮官だ。
「今は本当にいい選手がどんどん出てきている。そのなかで、調子のいい選手が起用されて、その都度戦い方も選手に合わせたものになっている。そういう意味では、自分のコンディションが良ければ自分を活かした戦い方になると思うし、そういうふうに今はポジティブに捉えている。だから“今、自分は調子がいい”とか、“どうして出られないんだ”というふうには思っていなくて、すべてを受け入れている」
3度目のW杯出場、そして3大会連続ゴールへ向け、岡崎はどんな1年を過ごすのだろうか。
「クラブで点を獲り続けることが、W杯で点を獲ることに繋がる。そうやってW杯というピンポイントのゴールを狙っていく。そのためには、ヨーロッパで『こいつは点を獲るセンスがある』と思わせなくちゃいけない。コートジボワールのドログバじゃないけど、途中から入ったときに相手が『点取り屋が来た』と思うくらいの選手にならないと。
今の代表での僕のフィット率を考えたら、センターフォワードを張るのにふさわしいと思わせるような裏への抜け出しを見せなくちゃいけない。サコ(大迫)が足元で受けるところを、僕なら裏を狙って強引に点を獲りにいけるというメッセージを発信したい」