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バッジョと同じ道を辿り、違う背番号。
ベルナルデスキが10番を選ばない訳。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2017/08/12 08:00

バッジョと同じ道を辿り、違う背番号。ベルナルデスキが10番を選ばない訳。<Number Web> photograph by AFLO

23歳にしてユベントスの10番を取りざたされる時点で、ベルナルデスキの大物感は抜けている。トッティの後を継ぐイタリア人スターとなるか。

CL決勝の後半に彼を投入できていたら……。

 スタメンの座を巡る競争は激しい。

 2列目の右サイド先発はD・コスタが濃厚で、控えにはコロンビア代表FWクアドラドがいる。逆の左サイドにはCL準優勝の立役者マンジュキッチがそびえ立ち、中央はエースのディバラの指定席だ。

 だが、シーズンは長い。

 テクニシャンを好む智将アッレグリは、セリエAでもCLでも、背番号33を背負うレフティが必ず貴重な戦力になることを見通している。

 ベルナルデスキほど使いどころのあるマルチロール・アタッカーはそういない。

 左右両サイドとトップ下はもちろん、膝の故障から復帰したMFマルキージオを中盤の底に置く4-3-3では、3トップの左でもプレーできる。いざとなれば、今夏のU21イタリア代表で見せたようにセンターフォワードとしての働きもできる。

 昨季のデータでは枠内シュート率、得点率いずれもチーム内のライバルたちを凌ぐ。細面で当たり負けしそうな印象があるが、デュエルでの実際の勝率は8割にも上る。

「ベルナルデスキは我々に熱をもたらしてくれたよ。あふれんばかりの活気に満ちた選手だ。まだまだチームに馴染んでいく必要があるが、きっとユーベにとって重要な選手になってくれるはずだ」

 カーディフでの決勝戦の後半に、もしベルナルデスキを投入できていたら。

 指揮官アッレグリにとって、ベルナルデスキこそ待ち望んでいた“ジョーカー”なのだ。

10番の重圧に苦しんだポグバの二の舞は避けたい。

 主将ブッフォンは、同郷カッラーラ出身の後輩の入団を歓迎しながら「(今季)無理やり10番を背負って、成長の足枷を作ることはない」と、親心も見せる。

 発言の念頭にあるのは、2シーズン前にユーベの10番を背負ったMFポグバ(現マンチェスター・U)だろう。ポグバは無骨なストライカーだったFWテベス(現上海申花)から背番号10を引き継いだが、シーズン序盤から重圧のために不調に陥った。終盤には、背番号の10の横に小さく「+5」と書き添えて、元の背番号6にあやかろうとしたほど苦しんだ。

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