錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER
フィジカル強化と勝利で自信回復!
錦織圭が目論む今夏の復活作戦とは?
posted2017/07/30 08:00
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Hiromasa Mano
ウィンブルドンの余韻もそろそろ薄れ、テニスの舞台の中心はハードコートの北米シリーズになだれ込んでいく。「グランドスラムの上位8シードはキープしたい」という錦織圭はウィンブルドンで第9シードだったが、この先、目標を維持していくのはなかなか厳しい仕事になりそうだ。
過去1年に20大会戦ってきた錦織が保有する3740ポイントのうち、3分の1以上に相当する1320ポイントを昨年夏のマスターズ・カナダ大会と全米オープンの2大会だけで獲っている。トロント準優勝の600ポイントと、全米ベスト4の720ポイント。この夏は、これをディフェンドしなくてはならない。
そんな中で、このところ錦織に対する風当たりがやや強くなっている。
芝のシーズンの結果はそれに拍車をかけてしまったようだ。
ウィンブルドンでの期待値は他のグランドスラムやマスターズ等に比べればそう高くなかったとはいえ、これまで4勝0敗の世界ランク19位(ウィンブルドンの時点では)のロベルト・バウティスタ・アグートに3回戦で敗れたことは、「それでも、せめて……」と望まれたラインにも届かなかった。
芝のシーズンがうまくいかなかったことは当然!?
「試合であんまり勝っていないので、大きな自信が試合の中で生まれてこなかった。それが思いきりの良さとか、フリーなプレーができないところではある。少しずつ自信がついてくれば、またプレーも変わってくると思う」
錦織はそう振り返ったが、グラスコート・シーズンの成績不振の原因ははっきりしている。
芝はもともと相性がいいとはいえず、「他のグランドスラムと比べて、セカンドウィークにいく自信が出てこない大会」である上、前哨戦のハレで痛めた腰のせいで、十分な準備ができなかったからだ。