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控えから地道に西武の正捕手争い!
岡田雅利流、若手の人心掌握術。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2017/07/26 08:00
牧田らを巧みなリードで操る岡田。プロ4年目の今季は5月のロッテ戦で初めて猛打賞も記録した。
同じ大阪桐蔭、森友哉との関係はライバル? 後輩?
岡田は大阪桐蔭高校から大阪ガスを経て2014年、ドラフト6位で入団した。大阪桐蔭高校時代は2年生から正捕手となり、中田翔(北海道日本ハム)とバッテリーを組んでセンバツに出場。ベスト8の成績を残している。
同じ2014年に高卒で入団した森友哉とは年齢が6歳離れている。しかし、同じ大阪桐蔭高校出身という縁もあり、入団直後から一緒に行動することが多かった。野球を離れれば冗談を言ってじゃれ合い、言いたいことをはっきり言い合う姿は兄弟のように睦まじかった。
そんな2人だが、2016年のシーズン前、森が再度、キャッチャーとして挑戦することを表明した際には、距離を置くことも考えたという。「今年はそういう気持ちは押さえて、ライバルとして同じポジションを争う意識でやっていきます」と岡田は語っていた。
ただし、そんな岡田の気持ちはお構いなしに、懐き、自分を慕ってくれる森を無下にはできず、けっきょくは元の関係に戻った。現在、森は骨折からの復活をかけて二軍で調整中だ。
「“おまえの出る幕はないよ”という状態に」
「最近も一緒に食事に行ったり、電話で近況報告をしています。けっきょくは距離を置けてないですね、ハハ。今は森がケガで離脱しているということもあるので、本当の勝負は森が帰ってきてからだと思っています。森が帰ってきたときに、自分が今の位置におれるのか……。森が帰ってきたからといって、自分がマスクをかぶれなくなってしまうのではダメだと思う。僕も負けるわけにはいかない。あいつが帰ってきても“おまえの出る幕はないよ”という状態にしておきたいですからね」
ライバル心をのぞかせるが、岡田の言葉は、リハビリに励んでいる後輩へ向けた「早く戻ってこい」というエールにも聞こえる。