マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
高校球児がテレビで野球を見ない?
「他人の野球」に興味がない子供たち。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byShigeki Yamamoto
posted2017/07/19 07:00
高校球児の憧れの選手が、自校OB以外のプロ選手や外国人メジャーリーガーであることは少ない。これはサッカーと比べても顕著な現象だろう。
大人が、野球を「見る」時間を作ってはどうだろうか。
えっ、ウチの監督イチローと対戦したの!
えっ、この人こんなこと知ってるんだ!
えっ、監督、意外とこんなことも知らないの?
そんなこんなの新鮮な驚きが互いの距離を縮め、それが少しずつチームの一体感になっていく。
チームワークとは、そうしたものだ。
最近の球児たちは、人の野球を見ない。
そう嘆く大人たちこそ、人の野球を見る機会を減らしてはいないだろうか。
その日その日、大人たちが安心するために猛練習を行うぐらいなら、そこでちょっと大人たちのほうがガマンして、週に2時間、3時間、選手たちと共に人の野球から学ぶ時間を作ってみたら、きっとその翌日の選手たちのモチベーションは、2日前のそれを2倍にも3倍にも上回っているはずだ。
そう言いきれる理由は、あれほど練習ぎらいだった私ですら、その妄想の中では、間違いなく奮い立つ思いで“翌日”を迎えると確信できるからだ。