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畠山健介「100年後も社会で……」
本気で考える日本ラグビーの未来。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byKensuke Hatakeyama
posted2017/07/13 07:00
廣瀬氏とともに写真に収まる畠山。彼らラガーマンこそが、競技の魅力を伝える伝道師の役割を果たす。
ラグビー選手をサポートする機関の代表として。
5月1日。ラグビー選手会の総会が都内で行われ、本来は理事や関係者しか参加できない総会に僕も参加した。昨年、トシ(廣瀬俊朗)さんを代表として立ち上がったラグビー選手会。総会から、僕が代表を引き継いだ。
選手会は普及活動がメインの団体ではなく、ラグビー選手を守り、サポートするための機関であるべきだと、副代表に就任したコスと何度も話し合ってきた。ラグビーに限らずスポーツ選手の周りには様々なリスクが存在する。
ドーピング、八百長、ギャンブル、SNS、金銭問題、メンタル……こういったリスクや誘惑などが、いかにラグビーの価値、選手自身の価値を下げるかの情報を共有し、その対応策を教え、サポートし、いざとなれば選手を守るのが選手会の存在意義だと思っている。
プロ選手に関してはセカンドキャリア、資金運用などの教育なども行っていきたい。他者を理解し受け入れる多様性、自分の強みを理解し、活かす術を知っていて、相手や仲間をリスペクトする心を持ち合わせているラグビー選手は、引退後も社会に必ず必要とされる。そう信じている。
100年後もラグビーが日本に必要とされるために。
社員選手もプロ選手も皆、ラグビーに特化したプロのマインドを持ったアスリートだ。会社やチームに与えられる情報だけでなく、選手自身で物事を考え、判断できる選手を輩出する選手会になっていきたい。社会に必要とされる人材を輩出することが、2019年W杯から100年後もラグビーが日本に必要とされるためには不可欠だ。
振り返ると、エディージャパンでの4年間は本当にきつかった。みんな身を粉にして、プライベート、家族を犠牲にして練習した。それは「ラグビー界を変えたい、良くしたい」と思ったからだ。そして、2015年W杯で少なからず変えられるキッカケを掴んだ。僕達、日本人にはハードワークが必要だ。そこを忘れちゃいけない。身体が小さい分、賢く、ハードに、そして工夫しないといけない。他者と同じことをしても勝てないのだ。
2019年、ラグビーワールドカップ日本大会の成功を心から祈ると同時に、2119年には「100年前のW杯がラグビー界のターニングポイントだったよね」と言われる大会になることを願っている。