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必要な時に、どんな相手からも――。
ダルビッシュ有、至高の「奪三振力」。 

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鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

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photograph byGetty Images

posted2017/07/13 14:30

必要な時に、どんな相手からも――。ダルビッシュ有、至高の「奪三振力」。<Number Web> photograph by Getty Images

全米でもトップランクのピッチャーとして注目されるダルビッシュ。今季限りでFAとなるということで、その去就も注目されている。

彼の奪三振は、周りの人を幸せにするためにある。

 こちらが慌ただしい日程を詫びながら、別れの挨拶をすると、彼は「こちらこそ、ありがとうございました」とまた穏やかに微笑んだ。

 東京へと戻る空の上、頭に浮かんだのは本当に強い男の佇まいだった。

 かつて日本からやってきたばかりの頃、自分の力、日本球界の力を証明しようと荒々しく牙をむいていた姿はもうない。自分を認めさせるための、エゴの象徴としての三振ではなく、周りの人を幸せにするための三振がそこにはあった。

 ダルビッシュは奪三振王である前に、レンジャーズのエースであり、エースである前にチームを構成する1人の人間だった。

 四竈氏はNumber931号の原稿の中で、投手生命を脅かすような、ある出来事が三振に対する考え方を変えたと書いている。

 アメリカへ渡って6年。彼にとっての奪三振学の変遷はそのまま、人としての成長の軌跡なのではないだろうか。そう思いながら時差によって襲ってきた眠気に身を任せた。

ダルビッシュがメジャーで学んだ重要なこと、そしてその投球哲学はどう変わってきたのか……Number931号「奪三振主義2017」では、日米をまたいで稀代の名投手となったダルビッシュの最新の姿を追っています。毎試合、その伝説を更新し続けている今シーズンのダルビッシュ有を、お見逃しなく!

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