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前田健太はいかに不調から復活した?
ダメな時の気持ちを、赤裸々に語った。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byZUMA Press/AFLO
posted2017/07/01 11:30
先発に久々に復帰した前田。7回4安打無四球6奪三振無失点で、完璧な状態でのローテ復活をアピールした。
カットボールは「凄く大事なボール」。
打者ならば誰もが、前田のベストピッチであるスライダーを意識して打席に入る。
対処するためにはゆったりとした間合いであったり、踏み込むと言う作業が必要となるが、そこに140キロを超えるカットボールを内角に投げる配球は言うまでもなく効果的だ。前田自身も手応えを語る。
「カットボールを投げ始めてから、本当に打者を打ち取る幅も広がってきた。同時に打ち取るパターンも増えてきた。僕にとっては今、凄く武器になっている。凄く大事なボールです」
危機感が投球への意識を変え、シンプルに打者を攻める投球の基本に立ち返った前田。
今後も山あり谷あり。それが野球であろう。
それでもローテーションからの降格を自分の糧に変えることに成功し、自分の道を自分自身で切り開いた強さと逞しさは彼がメジャーリーグの世界で成功を収める要因となるであろう。
ローテーション再奪取は疑いをさしはさむ余地がない。