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前田健太はいかに不調から復活した?
ダメな時の気持ちを、赤裸々に語った。
posted2017/07/01 11:30
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
ZUMA Press/AFLO
今季12試合目で初となった先発での無失点投球。
6月27日のエンゼルス戦で6勝目を挙げた前田健太は安堵感に浸りながらも決意を込めるように語った。
「今年一番の投球が出来た。今の僕にとっては全てが大事。結果を残さないといけない立場。7回を投げてゼロで終われたのは僕にとってすごく大きな登板だった。早く先発ローテーションへ戻れるように結果を出し続けたい」
6月7日に先発ローテーションからブルペンとスポットスターターの役回りに配置転換されて以降、前田が残した成績は、これで救援2試合と先発2試合で17回を投げ被安打10、失点2。2勝1セーブ、防御率1.06と素晴らしい成績になっているが、好調を伝える数字がもうひとつある。
投手の制球力を示す指標、K/BBである。
配置転換後の前田の驚異的な制球力。
ローテーション入りし、10試合に先発していた4日まではK/BBは3.11だった。これは与四球1個に対し奪った三振は3.11個であったことを示す。それが配置転換以降は18.00へと急増。与四球1の間に18もの三振を奪っているのである。
この時点で先発投手のK/BBリーグリーダーはジェフ・サマージャ(ジャイアンツ)の9.00。
救援部門は同僚の守護神ケンリー・ジャンセンが52.00という化け物のような数字を残しているが、ジャンセンはさておき、サンプル期間が短く、先発、救援、両方の役回りという注釈はあれど、今の前田がどれほど打者を圧倒しているかがわかる。
先発ローテーションに入っていた前田は5月25日から3試合連続で初回に30球以上を要し、デーブ・ロバーツ監督から「無駄球が多い。打者を恐れているような投球」と酷評され、その座を失った。