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前田健太はいかに不調から復活した?
ダメな時の気持ちを、赤裸々に語った。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byZUMA Press/AFLO
posted2017/07/01 11:30
先発に久々に復帰した前田。7回4安打無四球6奪三振無失点で、完璧な状態でのローテ復活をアピールした。
「今はとにかく自分のボールを信じて投げる」
先発での3試合、K/BBは1.63。16勝を挙げた昨季の3.58の半分にも満たず、投手としてメジャーレベルの数字とは言い難かった。
それがブルペンを経験した途端に大きく変わった。
何故か。
前田自身が語る。
「悪いときは自分の投げるボールに自信が持てなかったり、打たれたらどうしようと思ったり、結果が出ない分、際どいところを狙いすぎて球数が増えたりしていた。
今はとにかく自分のボールを信じ、力で勝負できるときは思い切って勝負する。ボール球を振らそうというより、早いカウントで勝負し、ストライクゾーンでアウトを取ると言うように考えています」
言葉通り、1回あたりの平均投球数は5月25日からの先発3試合では19.38もあったが、その後の4試合は14.52へと改善。1回平均15球で投げ切ることが目標とされる先発投手としての水準を再びクリアした。
内角攻めで見えた、前田の完全復活。
また、前田の気持ちの変化は配球面にも大きく表れている。
“内角攻め”である。
右打者には直球とツーシームで、左打者には直球とカットボールで、速球系で恐れることなく懐を攻める。そして、スライダー、カーブのオフスピード・ボール系は外角に集める。
理にかなった投球ができているのも復調の大きな要因であろう。
「バッターの近く(の球)って言うのは、ミスすると長打になる確率も上がりますけど、そういうボールも使っていかないと両サイドをうまく使っていけないですし、効果的に使えていると思います」