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日本選手権の決勝に2人の現役医大生。
陸上界は「文武両道」の理想モデル?
text by
別府響(Number編集部)Hibiki Beppu
photograph byAFLO
posted2017/06/28 07:00
サニブラウンと山縣亮太の間に挟まれた高橋周治。順調にいけば2年後には100mを10秒台で走るお医者さんが誕生することになる。
「ある意味、陸上の逃げ道として勉強があったり」
もちろん競技と学業を高いレベルで両立することは簡単なことではない。どちらかひとつに絞れば必要のないはずの苦労もあるだろう。それでも、広田はこう語る。
「勉強があるからこそ、無駄な時間をすごさなくなります。そういう能力をつけるには一番、(文武の)両立というのが良いことだと思います。自分が自然と鍛えられますし、陸上1本ということになると、私は潰れてしまいそうになるので。ある意味陸上の逃げ道のために勉強があり、勉強の逃げ道のために陸上があったりで。2つあっての陸上と勉強だと思っています。もし陸上1本だけだったら――ここにはいない可能性が高いと思います」
日本選手権という大舞台で、高橋や広田のような選手が活躍すること。それは、進路に悩む多くの学生たちにとって、大きな励みになるのではないだろうか。
文武のどちらの夢も追い続けること――。
それは決して、不可能ではないのだ。