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18歳サニブラウンの持つコメント力。
世界選手権で今度は何をしゃべる? 

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別府響(Number編集部)

別府響(Number編集部)Hibiki Beppu

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photograph byTakashi Shimizu

posted2017/06/26 17:15

18歳サニブラウンの持つコメント力。世界選手権で今度は何をしゃべる?<Number Web> photograph by Takashi Shimizu

身長188センチでまだ伸びているというサニブラウン。16歳の世界記録ではボルトを上回っており、東京五輪でのさらなる活躍が期待される。

18歳にしてコメントで笑いをとり、説明も理路整然。

 そんな軽口で報道陣を笑いの渦に包むと、続く説明は一転して理路整然としたもの。

「(オランダの時は)200mを走ったのは2カ月ぶりだったんです。それまであまり長い距離の練習を速いペースでやっていなくて。しかも100mのレースが多かったので、200mのための練習をあんまりやっていなかったのが出たのかなと。

 それでも、あのレースがあって本当に良かったと思います。

 あのレースがなかったら日本選手権が一発目の200mになっていたので、自分が200mに対してどういう走りができるのかというのも全く想像がつかなかったので。あの21秒があったことによって、その次の週に250mのテンポ走などを入れて、少し多めに走って練習を積んで、いい流れで持ってこれた。その部分に置いてはあのレースは無駄じゃなかったんだと。長い間200mを走らないと、200mの感覚を忘れてしまうので、感覚を戻すことができたいいレースだったのかなと思います」

 聞かれたことにしっかりと明確に答えた上で、適確なレースの分析、そして柔らかな雰囲気作りも忘れない。

 これだけの返しができる18歳はなかなかいない。

日本の高校を卒業後、アメリカの名門大学へ。

 城西高校卒業後は米国フロリダ大への進学を決めた。日本では極めて異例の進路だが、リオ五輪で男子三段跳びを制したクリスチャン・テイラー(米国)らを輩出した強豪校でもある。

 大学の入学は9月のため、米国でのルールからそれまでは同校では指導を受けることができない。そのため今年の冬からシーズン前半はオランダを拠点に欧州を転戦するなど、武者修行に出ている。

「カルチャーショックはそんなにない」

 本人はそう言うが、10代で突然訪れた異国の地での生活は決して簡単なものではないだろう。それでも学んだことを吸収し、自分の中で日々噛み砕いているからこそ、言葉にも充実感が現れるのではないだろうか。

【次ページ】 「いっぱい寝られるし、おいしいご飯を食べられる」

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