辻直人のB.LEAGUER DIARYBACK NUMBER
辻直人、Bリーグファイナルを今語る。
「引退しなきゃいけないってこと?」
text by
辻直人Naoto Tsuji
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/06/19 11:40
決勝戦は最後の最後まで勝者がわからない劇的な試合だった。勝ったのは栃木だが、川崎が相手だったからこそ実現したのだ。
注目度は上がったが、パフォーマンスが付いてこず。
ここであらためて、Bリーグ1年目の挑戦を振り返ってみようと思う。
'16-'17シーズンは、高校卒業後、初めて関東で一人暮らしをした大学1年生の時と少し似ている。環境の変化、規模は異なるけれど注目される中でのプレーだったし、そして納得のいくパフォーマンスができなかった。
'16-'17シーズンはチームや周りの選手、スタッフが大幅に変わったわけではないけれど、僕自身に対する注目度もそれまでとは比べ物にならないくらい高くなった。
納得のいくパフォーマンスができないもどかしさから焦りを感じ、それを繰り返す悪循環。終盤に来て、徐々にこれまでとは異なる環境にも少しずつ順応できるようになったけれど、環境の変化には終始悩まされるシーズンでもあった。
ただ、その中で解決方法も見出しつつあり、「こうすれば怪我をしないだろう」という手応えも掴むことができた。
川崎という場所に根付いてきた、という感覚。
シーズン中に課題に挙げていた試合中の状況によって変わるタイムマネジメントも、来季以降も課題の1つではあるけれど、徐々に改善しているのではないかなと思う。
来季はコートの上で毎試合ベストパフォーマンスを見せたい。シューターとして、'16-'17シーズンに残した数字にまったく満足していないし、そこはさらに追求し、結果を出していかなければと危機感も強い。
また、これからはバスケットボールクリニックの開催など、個人、そしてチームとして、地域のバスケットボールの発展にもっと貢献していかなければならないという思いも強い。それはBリーグでプレーする僕らの役割の1つだろう。
Bリーグ開幕を機に、川崎市民やファンのみなさんが優しく声をかけてくれることがとても多くなり、“応援してくれているんだな”ということが伝わってきた。だからこそ、会場にもっと足を運んでもらえるよう、プレー面で魅せることはもちろん、ビラ配りなどの集客活動も積極的に頑張っていきたい。