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宮里藍にも「結婚のご予定は?」
女子アスリート、競技と家庭の両立。
posted2017/06/17 09:00
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
AFLO
「結婚のご予定は?」
独身の女性アスリートの引退記者会見で、お決まりのように報道陣が質問する。
宮里藍も例外なく問われて「それは、今のところないですね。すみません」と否定した。
ネット上では「女性アスリートの引退時に結婚のことを聞くなんて、非常に失礼!」という批判的なコメントから「そのくらい聞いてもいいのでは?」という賛否両論が上がった。
他国はどうだろうと、2011年賞金女王のヤニ・ツェン(台湾)に問うと「(母国でも同様に)結婚のことを、質問されますね」と教えてくれた。ツェンは続けて「まあ、でも女子ゴルファー全員がジュリ・インクスターになれるわけではありませんから」と言った。
ジュリ・インクスターとは、米ツアー通算31勝をあげて、56歳の今現在も現役というレジェンド的な女子ゴルファーである。私生活では2児の母だ。
ツェンが言いたかったことは「誰もがインクスターのようにプロゴルファーと家庭を両立できるわけではない」ということだ。
平均的に1年を通して200~250日は遠征生活となる。
その一番の理由は、米女子ゴルフツアーの生活は1年中旅が続いてタフなことだ。
ツアーは1月下旬から11月下旬まで、世界中を転戦する。選手の平均的な出場試合数は年間25試合前後であり、加えて、オフや試合の合間をぬって、スポンサー関連の仕事、メディア対応、そして、当然ながら激しい練習などもこなしていく。上位と下位選手によって差があるともいえるが、平均的に1年を通して200~250日は遠征生活となる。
好きで選んだ仕事ではあるが、ここまでになると私生活とツアー生活のバランスを取るのが難しくなるのは当然だ。
もちろん、オフにフランス料理を習いに行ったり、趣味の釣りをしたり、ゴルフアカデミーを運営したりと、私生活でもアクティブな女子ゴルファーはいる。また、結婚しても変わらず選手生活を続けるゴルファーは増えているし、出産した選手をサポートするため、無料のデイケアサービスがツアーに帯同してもいる。