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全米制覇で松山英樹は脱出なるか?
ゴルフ界に数多い無冠の実力者たち。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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posted2017/06/14 17:00

全米制覇で松山英樹は脱出なるか?ゴルフ界に数多い無冠の実力者たち。<Number Web> photograph by AFLO

マスターズで堅い握手を交わす松山(左)とファウラー。この2人が全米オープンでトップを争う展開となるか。

北欧の遅咲き選手はファウラーの先輩/アレックス・ノレン

 ゴルフツアーには年に何度か「いったい昨日までの3日間はなんだったんだ」という試合がある。5月の欧州ツアーのビッグイベント「BMW PGA選手権」は、まさにそれだった。最終日、ノレンは21位から1イーグル、8バーディをたたき出して逆転。谷原秀人の優勝争いの相手は、とっくにホールアウトして、クラブハウスでゆっくりモニターを眺めていた“見えない敵”になってしまった。

 そんな爆発力を持った34歳は現在、メジャータイトルのない選手としては松山に次ぐ世界ランキング8位につけている。昨年の全英オープンでミケルソンとの死闘を制したヘンリック・ステンソンと同じスウェーデン出身。欧州を主戦場としているため、米ツアーのファンの間では最近になって知られる名前になったが、出身はオクラホマ州立大と実はファウラーの先輩でもある。

 2014年には練習のし過ぎで両手首を壊し、2試合しか出場できないという憂き目も味わった。欧州での平均飛距離は285.4ヤードと、平均以下の212位という数字もあって、玄人好みの遅咲き選手だ。

英会話はエミネムで。ミケルソンの愛弟子/ジョン・ラーム

 ファウラー28歳、松山25歳。予選ラウンドで同じ組でプレーするもう一人は22歳。それが目下、米ツアーで最もホットな若手として有名なラーム。1年前の全米オープン、ローアマチュア選手として表彰式に出席する直前の世界ランクは766位だったが、今年1月末にプロ初勝利を挙げ、現在は10位にいる。

 ラームは平均305ヤードの飛距離をベースとするオールラウンドタイプだ。ファウラーより松山は一回りデカいが、“ランボー”の愛称を持つラームはもう一回りデカい。高校卒業後に生まれ故郷のスペインを離れ、フィル・ミケルソンの弟であるティム・ミケルソンの指導もあって、アマチュアナンバーワン選手の座に長らく君臨した。ちなみに現在、ティムは現在コーチ職を辞して、ラームのエージェントをちゃっかり務めている。

 英会話は大学時代、エミネムなどのラップで覚えた。ぽっちゃり型の体系も、同じ大学でやり投げ選手だったガールフレンドが管理してくれているとか。それにしても、スペイン勢のメジャー2連勝となった際、ガルシアのあれだけの苦労話が粉砕されそうで怖い。

【次ページ】 “マツヤマ・キラー”の異名/ジャスティン・トーマス

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