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交流戦「パが強い」というよりも……。
過去12年で負け越し69の球団が。
 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2017/05/31 07:00

交流戦「パが強い」というよりも……。過去12年で負け越し69の球団が。<Number Web> photograph by Kyodo News

決意に満ちた表情を見せるセ・パ各球団の選手たち。この期間は同リーグの直接対決がないだけに、18試合の勝敗がシーズンを大きく左右する。

でも本当に「パ・リーグが強いのか?」

 それ以来、人気がなくて劣勢だと言われていたパのステイタスが、ぐんと上がったのだ。セ球団のファンの中には「交流戦はもういいわ」という人も多いのではないか。

 セ・パ両リーグの共存共栄を図る上では、“これはよくない! セにも頑張ってほしい!”というところだが、何を隠そう、私もパ・リーグファンである。「純パの会」にも入っている(会費払わないと)。

 昭和の時代、人来ぬパの球場に日参していた口である。セの野球はテレビでまぶしい思いで見ていたものだ。こんな日が来るとは、とひそかに喜んでいるのだ。

 昔、パ・リーグが悔し紛れに言っていた「実力のパ、人気のセ」が、ついに実現したのだ! ぱちぱち。

 ……ではあるが、私も野球記録を扱う身。いろいろ探している中で、「パ・リーグは本当に強いのか?」と疑問を感じることがいくつか出てきたのだ。

 野球記録マニアの良心として、そのデータをご紹介したい。

MLBのインターリーグの成績って、どうなってるの?

 MLBでは、1997年からア・ナ両リーグのチームが対戦するインターリーグを開始した。その戦績を見てみよう。

<アメリカン・リーグから見た勝敗 ※昨年までのもの>

1997年  97勝117敗 .453●
1998年 114勝110敗 .509○
1999年 116勝135敗 .462●
2000年 136勝115敗 .542○
2001年 132勝120敗 .524○
2002年 123勝129敗 .488●
2003年 115勝137敗 .456●
2004年 127勝125敗 .504○
2005年 136勝116敗 .540○
2006年 154勝 98敗 .611○
2007年 137勝115敗 .544○
2008年 149勝103敗 .591○
2009年 138勝114敗 .548○
2010年 134勝118敗 .532○
2011年 131勝121敗 .520○
2012年 142勝110敗 .563○
2013年 154勝146敗 .513○
2014年 153勝147敗 .510○
2015年 167勝133敗 .557○
2016年 165勝135敗 .550○
通算 2720勝2444敗 .527

 20年間でアメリカン・リーグが16回、勝ち越している。当初はナ・リーグがやや有利だったが、ここ13年間はア・リーグが勝ちっぱなしの状況が続いている。

【次ページ】 「指名打者制があるリーグ」が交流戦で受ける恩恵。

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