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交流戦「パが強い」というよりも……。
過去12年で負け越し69の球団が。
 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2017/05/31 07:00

交流戦「パが強い」というよりも……。過去12年で負け越し69の球団が。<Number Web> photograph by Kyodo News

決意に満ちた表情を見せるセ・パ各球団の選手たち。この期間は同リーグの直接対決がないだけに、18試合の勝敗がシーズンを大きく左右する。

「指名打者制があるリーグ」が交流戦で受ける恩恵。

 アメリカン・リーグとパシフィック・リーグに共通するのはどちらも「指名打者制のあるリーグ」だということ。

 これは、ひょっとすると「指名打者制のあるリーグの方が、ないリーグよりも強い」ということではないのか?

 交流戦、インターリーグでは、指名打者制があるリーグのホームゲームでは、指名打者が導入される。もともと指名打者を含めた9人で戦ってきたチームと、臨時に「9人目の打者」をこしらえなければならないチームでは、戦力的に差があるのではないか?

 指名打者制がないリーグのホームゲームでは、指名打者制があるリーグの投手も打席に立つ。しかし投手の打撃はどちらもリーグも大差はないから、戦力差はつきにくい。

 となると、指名打者制があるリーグのホームゲームでのアドバンテージが勝率に反映しているのではないか。そう考えなければ、パ・リーグ、ア・リーグが大きく勝ち越している理由が説明できない。

 もっと深く調べるべきだろうが、MLBの結果を知ってからは、「実力のパ」にやや疑問を持たざるを得なくなった。

昨季終了時点での12球団交流戦成績を見てみると……。

 指摘したい点は、もう一つある。

 2005年に始まった交流戦は、昨年までで各チームの試合数は300ちょうどになった。12球団の勝敗を一覧にするとこうなる。最後の数字はゲーム差があったと仮定してのもの。

1 ソフトバンク 180勝108敗12分 .625     -
2 ロッテ 159勝127敗14分 .556     20.0差 
3 日本ハム 160勝130敗10分 .552     1.0差
4 巨人 156勝135敗9分 .536  4.5差 
5 中日 147勝143敗10分 .507     8.5差
6 西武 147勝147敗6分 .500  2.0差
7 阪神 143勝147敗10分 .493 2.0差
8 オリックス 141勝151敗8分 .483 3.0差
9 ヤクルト 138勝155敗7分 .471 3.5差
10楽天 138勝158敗4分 .466 1.5差
11広島 125勝164敗11分 .433 9.5差
12DeNA(横浜)112勝181敗7分 .382 15.0差

勝率が唯一6割を超えるソフトバンク、3割台のDeNA。

 ソフトバンクが唯一6割超えの高い勝率で、ゲーム差にすれば、2位ロッテに20ゲームの大差をつけている。対照的にDeNA(横浜)の勝率は3割台。11位広島と15ゲームも開いている。

 そしてソフトバンクは12回の交流戦で6回勝率1位に輝いている。圧倒的に強いのだ。反対にDeNA(横浜)はからっきし弱い。

 2015年はその顕著な例だ。交流戦前は29勝19敗でセ・リーグトップに立っていた。しかし交流戦で3勝14敗1分、勝率.176とぼろ負けして、最終的には最下位に沈んだのだ。

【次ページ】 チーム間の対戦成績を見ても目立つのは2球団の名前。

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