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獣神サンダー・ライガー28年目の決断。
引退覚悟! スーパーJr.との別れ。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2017/05/31 11:00
負け続ける獣神サンダー・ライガー。その小さな身体にヘビー級をも越える破壊力を宿した“怒りの獣神”として、再び降臨できるか……。
ライガーのスーパージュニアは、本当に終わるのか?
そんなライガーだが、スーパージュニアへの参戦はこれが最後だという。
「来年になって、体力がこれ以上つくとは思わない。オレは、プロレスラーは夢を売る商売だと思うし、レスラーが夢を見るのを忘れちゃ、ファンの人は夢を見られないと思う。現実とも戦わなきゃいけないのがプロレスラーだ。だからスーパージュニアは、これで最後にした」
まだ動けるが、現実には勝てないライガーがいる。山田との歳を合わせると今年53歳になるのだから、幕引きも感じる。
ライガーのスーパージュニアは終わる。
「スーパージュニアをオレが生み育てたと、ファンが思ってくれているのなら、逆に自分の引き際は、他の選手より厳しくいかないといけないと思う。
だから今回限り。
まだできるじゃないか、という声もあるよ。だが、あともう一歩で勝てない。それが現実なんだ。あと一歩、その一歩がどうしても越せない」
ライガーは引退まで視野に入れてスーパージュニアのステージから降りる。
でも、体調を整えてのワンマッチなら、ライガーにはまだ十分にやれる自信がある。
「怒れ。怒れ。怒ってこそアンタは怒りの獣神だ」
そんなライガーに、現IWGPジュニアヘビー級王者の高橋ヒロムがこんなエールを送っている。
「アンタ、昔はこんなもんじゃなかったぜ。オレの知ってる“怒りの獣神”サンダー・ライガーは、こんな生易しくねえよ!
ああ、今も十分持ってるよ。危ない、一歩間違えたら命まで持っていかれそうなぐらい強烈なものを持ってるよ。でも、オレがやりたい怒りの獣神サンダー・ライガーは、もうこの世にいないんだ。今は、優しき獣神サンダー・ライガーだよ!」
高橋のプロレスのキャリアは、まだ7年しかない。高橋が生まれたのはライガーが誕生した1989年だ。
「ヤングボーイの俺から忠告しといてやるよ。怒れ。怒れ。怒ってこそアンタは“怒りの獣神”サンダー・ライガーだ。そう簡単には引退させねえぞ!」